浦安市は10月5日、弁天2丁目地区(45宅地)で進めていた市街地液状化対策事業について中止する方針を明らかにした。
市によると、45宅地中16宅地の地権者から工事への協力を得ることができなかった。協力を得た宅地だけで「格子状地盤改良工法」による設計が可能か、検証したが、技術的に困難と確認。事業を断念したという。住民には文書で伝えた。
弁天2丁目地区は東日本大震災で液状化による被害を受けた。市は住民に液状化対策事業を説明し、住民の合意を得た。ところが、着工を前にして一部住民から「工事リスクの説明が不十分だった」「その後、状況が変わった」などの理由で不同意が相次いだ。
内田悦嗣市長は「事業の実施を希望し、協力いただいた皆様の期待に応えることができず、申し訳なく思っている。今後、早期に道路災害復旧工事に着手する」とコメント。
液状化対策事業をめぐっては舞浜3丁目地区(393宅地)で、地中の埋設物によって工事が中断。改めて市が住民の意向確認調査をしたところ、工事継続希望は約78%にとどまった。このため浦安市は今春、工事を中止する方針を明らかにした。東野3丁目地区(33宅地)では液状化対策工事が進んでおり、来年3月完工を目指している。