
冷え性や不眠で悩む方は多い。特に若い女性に多いのも特徴である。暑い夏や寒い冬などの限られた時期だけでなく、年間を通して悩んでいる方が多いのが実情である。
このような愁訴を軽減、消失させるにはどのような方法があるだろうか。
◇山口大学の研究結果
2年前に山口大学から若い女性を対象にした研究結果が発表されている。
この研究では、普段運動をしていない冷え性の若い女性16名を対象に、ウオーキングとジョギングをする群8名と、運動をしない群8名に分けて、冬季に2週間の比較研究を行った。
介入前後で体温感覚と体温測定、睡眠中の脳波測定,起床直後に視覚的アナログスケールによる睡眠調査を行った。
◇冷感スコア減少
その結果、運動群では、体全体、及び足の温かさと快適さが有意に増加した。
また、運動群では指先、足先、つま先の冷感スコアが有意に減少した。
睡眠調査をみると、運動群では有意に疲労回復し、睡眠時間が有意に増加した。
また、運動群では睡眠の質が有意に増加し、中途覚醒時間を短縮し、深い睡眠の長さを延長する結果であった。
運動群で睡眠前のアルファ波パワーを増加させた。
一方、運動しない群ではすべての変数に変化はなかった。
これらの結果から、2週間程度の継続するジョギングなどの運動は、冷え性と睡眠改善に有効であることが示された。