こんにちは。弁護士の矢野京介です。離婚を考える際、子どもが小さいうちに決断するのか、子どもの成人を待ってから離婚するのかは、多くのご夫婦が悩むポイントだと思います。今回は、子どもが成人してから離婚することのメリット・デメリットについてお話いたします。

まず、メリットとしては、(1)経済的に安定する (2)子どもの心理的負担を軽減できる (3)子どもと一緒に暮らせる (4)親権や養育費などの話し合いを回避できる、などが考えられます。幼い子どもにとって、離婚は環境や人間関係の激しい変化を伴いますので、不安や混乱を抱えることも少なくありません。また、子育てには日々の生活費だけでなく、学費や塾代などの教育費も必要となります。子どもが自立した後であれば、離婚後は自分の生活だけを心配すればいいため、子どもが自立する前に離婚した場合と比較すると、経済的不安は軽減されるでしょう。
一方、デメリットとしては、不仲な生活を続けなくてはならないストレスと、子どもへの影響が大きいでしょう。「子どものために」のつもりが逆に子どもにとって安心できない家庭環境を長引かせてしまうリスクがあるのです。また、離婚後の人生設計に遅れが出る可能性があります。経済的な自立や再就職、あるいは再婚といった人生の選択肢は年齢を重ねるにつれて制約を受けやすくなります。
どのタイミングで離婚するのが最も望ましいのかは、家庭の状況や経済条件、そして子どもの性格や成長段階によって異なります。そのため、離婚を検討する際には「子どもの年齢や気持ち」だけでなく「夫婦双方の経済的見通し」「将来の生活設計」なども含め総合的に判断することが不可欠です。離婚についてお悩みの方は、一度専門家に相談することをお勧めいたします。
