昨年12月になってからも、新型コロナ感染は急増し、12月24日の感染者14万9655人、死者は339人だった。11月1日での感染者は6万7841人、死者は57人だったので倍増である。
国立感染研のウイルスゲノムの解析データでは、BA.5.2とその子BA.5.2.1、孫BF.5の3株が60%を占めている。1月前は、BA.5.2系統が75%とやや減少傾向である。世界主流であるBQ.1が5.6%、BF.7 が4.8%とBQ.1系統が少しずつ増加している点が要注意だ。
欧米諸国ではBQ.1系統が他の変異株を抑えて増え始めている。8月29日には日本、韓国、シンガポール、フランス、ドイツ、イギリス、アメリカなど、すべての国でBA.5由来の変異株が79%以上を占めていた(日本は98%)。それから12月かけてアメリカではBQ.1とBQ.1.1がどんどん増え、12月10日には66%に達している。フランス、イギリスでもBQ.1が60%以上を占めるようになった。日本のBQ.1は6%だが、今後増える可能性が高い。
また問題なのは、インフルエンザとのダブル感染だ。浦安ふじみクリニックでは11月の発熱外来患者中、新型コロナは30%、インフルエンザはゼロだったが、12月26日現在、新型コロナは80%、インフルエンザも10%になった。インフルエンザで学級閉鎖になった地域もあり、今後の流行が心配される。
症状だけでは、新型コロナかインフルエンザかの見分けがつかない。インフルエンザは発症と同時にタミフルやイナビルなどで治療をすれば、すぐ治癒させることができるが、浦安市内で発熱外来予約に時間がかかり、発症してすぐ治療とはいかないのが現状だ。行政及び医師会の更なる対応が望まれる。
市民の皆さんは、カロナールやロキソニンなどの解熱鎮痛薬を常備しておく必要がある。新型コロナウイルスオミクロン株は咽頭で増殖するが、肺には進展しないので重症化しにくいと言われている。だが、マスク着用や嗽の励行など、感染防御策の徹底を心がけることが重要である。