医療・健康

Dr.竜の「診察ノー卜」第69話:mRNAワクチンは安全、一人残らずワクチンを打とう

 COVID-19ウイルス感染は、ヒト細胞表面のスパイク状の突起蛋白にウイルスが結合し、ヒト細胞内に侵入することで起きる。世界的に広がったこの感染は、オリンピック開催中の日本でも大爆発し、死者も1万6千に迫っている。呼吸不全になれば、人工呼吸でステロイド投与する以外、治療法はない。唯一の防御策はワクチン接種だ。

竜 崇正(りゅう・むねまさ) 浦安ふじみクリニック院長 =浦安市富士見 2-18-9=

 通常のワクチンは、弱毒もしくは無毒化した細菌やウイルスで作成する。だが、現在接種しているワクチンは、ヒト細胞表面のスパイク蛋白の一部を遺伝子組み換え技術で合成。メッセンジャーRNA(mRNA)に置き換えて作る。

 そのため接種すると、自分の遺伝子に異常が起きて自己免疫疾患になるという誤った情報が拡散。若者らにワクチン接種しない人がいる。防疫は国家の義務だ。ワクチンで天然痘やポリオ、結核が駆逐された。ワクチン未接種者が多いと集団免疫は成立せず、未接種の中で感染が蔓延持続する。アメリカやイギリスの感染再燃を見れば、理解できよう。遺伝子組み換え技術は食糧生産などで普遍的な技術である。RNAは細胞の核内に入ることはなく、核内の遺伝子、DNAに影響することはない。合成mRNAを体内に導入する研究は、がん治療目的で30年前から世界中で行われていた。

 実用化は困難だった。だが、mRNAの不安定さは脂質膜の被包と低温保存で解決された。炎症も大きな問題だった。細胞内tRNA投与では炎症がないことに着目し、mRNAの塩基の一部をtRNAシュードリジンに変えることで解決した。研究は2000年代のSARSや新型インフルエンザのパンデミックを機に、ウイルスワクチン研究にシフトした。

 そんな中、昨年1月に武漢の白博士が中国政府の意向に反してCOVID-19の遺伝子情報を公開した。それを機に、mRNAワクチン研究が花開き、画期的なmRNAワクチンが短期間に実用化される奇跡が起きたのだ。

広告画像

関連記事

  1. Uセンターそろばん教室盛況 Uセンターそろばん教室盛況 91歳講師が“現役„
  2. Dr.竜の「診察ノー卜」 Dr.竜の「診察ノー卜」第70話:COVID-19に対する新しい…
  3. がんと向き合う講演会と相談会  がんと向き合う講演会と相談会
  4. 新型コロナウイルスの夜間接種実施 新型コロナウイルスの夜間接種実施
  5. Dr.竜の「診察ノー卜」 Dr.竜の「診察ノー卜」第87話:COVID-19感染は収まりつ…
  6. 里帰りの母親にも拡大 日帰り、宿泊型産後ケア 里帰りの母親にも拡大 日帰り、宿泊型産後ケア
  7. Dr.竜の「診察ノー卜」 Dr.竜の「診察ノー卜」第73話: COVID-19 感染に朗報…
  8. Dr.竜の「診察ノー卜」 Dr.竜の「診察ノー卜」第91話:COVID-19 感染は5月か…

新着記事

  1. 境川かわまちづくり計画登録証伝達式 水辺に親しむ環境整備
  2. 10月22、23日 千葉県最大級飲食イベント 浦安バル街開催
  3. パリ・パラリンピック2024 車いすラグビー日本代表、 金メダル! おめでとう、池崎大輔選手
  4. GKのナイスセーブが光る攻防戦に ヴェルスパ大分と対戦し引き分け ブリオベッカ浦安
  5. 子どもたちがスポーツを体験し、レベルアップをめざす浦安スポーツチャレンジ 11月3日明海大学浦安キャンパスで開催

毎日新聞浦安南部・北部専売所
浦安ふじみクリニック
さくら保育園
有限会社メディケアネット PETCARE
田中屋海苔店

江戸前佃煮 株式会社西金
どこに生まれても、生まれてきて良かったと思える社会へ! JAFS関東

PAGE TOP