羽田空港と東京都心直結の新路線「羽田空港アクセス線」に関し、国が空港内の地下トンネルや駅の基礎工事を担い、建設計画を進めるJR東日本が借用して営業する方向。JRが1時間当たり8本とする当初案の2倍超の本数を最終的に確保する見通しだ。
新型コロナウイルスの感染拡大で、今年、航空需要は世界的に失速したが、国は「首都の玄関口」の羽田の機能強化は不可欠と判断。JRの負担を軽減し、各地と結ぶ鉄道路線の充実を図る考え。
アクセス線は東京駅を経由し茨城、栃木、群馬方面と結ぶ「東山手」、新宿駅経由の「西山手」、新木場方面の「臨海部」の計3ルート。臨海部は東京ディズニーリゾート最寄りの舞浜駅へ直通する構想がある。
JRの試算では、国内線新駅との所要時間は東京駅約18分、新宿駅約23分、新木場駅約20分。羽田空港内の駅は、国内線と国際線に置く見込みで、京急も列車の入れ替えをスムーズにするため「引き上げ線」の新設計画を進めており、1時間当たりの運転本数を6本から9本に増やす方針。JRは昨年、東山手の環境影響評価(アセスメント)に着手し、2029年の開業を目指す。