防犯・安全・法律

弁護士 京介 「家庭の法学」(51) DV保護命令

 こんにちは。弁護士の矢野京介です。今回は、「DV保護命令」についてお話いたします。家庭で暴力があった場合、まずは警察に相談する、または家を出て避難することが大事ですが、被害者の方は、配偶者に居場所を突き止められたらどうしようという不安が付きまとうと思います。

矢野弁護士
矢野京介

 保護命令とは、加害者から被害者への暴力を防ぐため、裁判所が加害者に対し、被害者に近寄らないこと等を命じる決定です。申立をすると、裁判所は速やかに裁判をすることになっており、多くの事件は申立後2週間ほどで発令されます。保護命令に違反した加害者には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。

 このように、日々、加害者からの暴力に怯えて生活していた被害者の方にとっては、実効性、有効性のある保護命令です。しかし、離婚条件を有利なものとすることを目的に濫用的に保護命令の申立をするケースも見受けられます。

 そのような事態を防ぐためにも、裁判所は、「夫婦関係の継続中に身体への暴力又は生命・身体に対する脅迫を受けた被害者が、今後、身体的暴力を振われて生命や重大な危害を受けるおそれが大きい時に保護命令を申し立てることができる」としています。また、被害者の方は、保護命令申立にあたり、事前に、配偶者暴力相談支援センターまたは警察署に相談に行っておく必要があります。

 暴力は決して許されることではありませんが、単発的で暴力の程度が比較的軽い場合には、要件を満たさず、保護命令の申立が却下されることもあります。DV被害でお悩みの方は、1人で悩まず専門家に相談されることをお勧めいたします。

葛西臨海ドリーム法律事務所

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