来年2月、オペラ「かぐや姫」上演が当面の目標
取材場所の舞浜の美術館。「よろしくお願いします」とソプラノが響くと、真っ赤なドレス姿の川本さんが現われた。
声楽家で二期会会員。「文化会館での声楽公演が少なかった」ことから「美しい音楽を浦安に」と実行委員会を立ち上げ、2005年からリサイタル形式で年1回コンサートを開催。
その第1回は「川本愛子が歌う大中恩の歌曲」。これ以降、オペラから日本の歌曲、童謡、唱歌、浦安音頭…。
5周年のガラコンサートは「蝶々夫人」から “あの桜の枝を揺すって” 、「トスカ」から “歌に生き 恋に生き”。
東京・蔵前生まれの川本さん。7人兄妹の末っ子。父が清元をたしなむ通人で、6歳から「歌のおばさん」で知られる松田トシさんに歌とピアノを習った。
これがきっかけで音楽の道に進み、武蔵野音大大学院声楽専攻修了。「12年間、大学で講師を務め、母にサポートされながら4人目の子供が産まれたのを機に、練習時間が欲しくて大学を辞めた」。
15年ほど前に浦安に転居。後進の指導のかたわら前述のような音楽活動を展開。「4年前の3.11の時は10月にチャリティークラシックコンサート。翌年には團伊玖磨作曲の “夕鶴” などに挑戦」。
10周年記念の昨年はオペレッタ喜歌劇「こうもり」を上演、喝采を浴びた。
「美しい音楽を聴けば心豊かでなごむ」がモットーで、音楽の道に進む人が増えることを願っている。
11回目は来年2月、オペラ「かぐや姫」を市民参加型で上演するのが当面の目標。
体が楽器だけに「うがいをマメに、風邪は耳鼻科で早めのメンテナンスでのどを守っている」。
新浦安にできる音楽ホールには「もちろん楽しみ。いい響きのホールは演奏家、聴衆双方に喜ばれる」と完成を心待ちにしている。