
浦安を流れる境川。春には沿岸に桜が咲きます。旧江戸川沿いの西水門の近くにも桜が見事に咲いていました。
1990年代、私は堀江のマンションに住んでいました。春になると、西水門の桜の下で酒を飲み、弁当を食べて家族で花見を楽しんだことを懐かしく思い出します。
昭和初期、青年作家、山本周五郎は漁師町だった浦安に住んでいました。その体験に基づく作品を執筆しています。「青べか物語」です。
青年作家は地元の老人から青いべか舟を買い、船宿の少年や浦安の人々と交流します。作品では地名を変えていますが、読めば「ああ、あそこか」と推測できます。
作品に登場する「天鉄」のモデルといわれるそば処「天哲」は今もフラワー通りで元気に営業しています。
春、文庫本「青べか物語」を携えて境川界隈を歩いてみませんか。新しい発見があるかもしれませんよ。 (S)