浦安市民が待ち望んでいた浦安三社例大祭が6月14~16日、開催された。例大祭は通常4年に一度だが、前回はコロナ禍で執行することができず、8年ぶりの開催となった。浦安っ子が元気に神輿を担ぎ、心意気を示した。
◇宵宮(よいみや)
14日、清瀧神社、豊受神社、稲荷神社で宵宮が行われた。
夕刻。神社ののぼり旗が風に揺れる。粋な装束の若い女性がいった。
「いよいよ、祭りが始まるね」
豊受神社に神輿を担いだ氏子たちが続々と集まってくる。広い境内が埋め尽くされ、熱気が高まる。
境内の照明が一斉に消された。
「おー」 どよめきが沸き起こる。暗闇の中、御霊入れの神事が行われた。厳粛な雰囲気が漂う。しばらくして灯りがつく。神々が目覚め、鼓舞するかのようだ。
―さあ、ゆこう。
神輿が境内を出発する。沿道にずらりと飾られた提灯が美しい。
「マエダ マエダ」
「マエダ マエダ」
浦安独特の掛け声が響き渡る。
◇神輿渡御(とぎょ)
青空が広がる。当代島の稲荷神社の神輿が出発する。
氏子総代長、尾頭博行さんは「天気を心配していたが、見事に晴れた。最高です」と笑顔で語る。
浦安独特の地すりが始まった。担ぎ手が心をひとつに合わせる。腰をかがめ、神輿を地面すれすれまで降ろす。ゆっくり回す。
清瀧神社の神輿は堀江の住宅街を進む。神輿が止まった。神輿を高々と差し上げる。最後に神輿を宙に放り上げる。大きな拍手が沸き起こった。
◇祭りの熱気
豊受神社の神輿が境川沿いを進む。西水門の近くで担ぎ手が女性に代わる。元気いっぱい。見事な担ぎっぷりだ。
船宿の吉野屋前で休憩。冷たい飲み物やおにぎりなどがふるまわれた。
さあ、神輿が浦安橋高架下に迫ってくる。ここは道幅が広く、掛け声が反響する。見応えがあり、多くの市民が待ち構えていた。神輿が入ってきた。いったん、停止する。指揮の男性が叫ぶ。
「東組の見せどころだ」
神輿を地面すれすれに降ろす。ゆっくり、ゆっくり回す。物凄い熱気だ。大観衆は拍手。拍手。拍手。
鮮魚店経営の森田釣竿さんは「8年間の空白を感じさせない。祭りって、いいなあ。浦安の原点です」と笑顔を見せた。
◇宮入り
16日夕刻。
祭りはいよいよ最終盤に入る。内田悦嗣市長と大川三敏消防団長が神輿を担いだ。
「マエダ マエダ」
「マエダ マエダ」
夕陽を浴びて神輿が輝く。清瀧神社前で神輿が宙に舞った。歓声が沸き起こる。4年後の祭り成功を願って3日間の祭りは幕を閉じた。
黒川彰吾宮司は「みんなのおかげで盛り上がった。子どもたちも8年ぶりの祭りを体験できた。次の世代に浦安の伝統をつなげていきたい」と語った。
(塩塚 保)