漁師町、浦安の面影を色濃く残す浦安魚市場(浦安市北栄)が今春、閉場することになり、昨年12月、最後のお歳暮市や年末大売り出しが行われ、買い物客でにぎわった。
浦安魚市場は戦後、組合が発足して営業を始めた。当初は浦安橋そばにあったが、昭和46年に浦安駅に近い現在地に移転した。
鮮魚を取り扱うプロの目利きが選んだ新鮮な海産物などを対面販売している。店主らが買い物客に調理方法やおいしい食べ方を紹介しながら、その場で鮮魚に包丁を入れ、調理・加工する。また、早朝から営業する食堂も人気を集めている。食材を求める買い物客らでにぎわっているが、大型スーパーの進出や建物の老朽化などによって、3月31日に閉場することになった。
市川市の男性医師は「いい魚を売っている店をやっと探して、買い物にくるのを楽しみにしていた。魚市場には人情味がある。(閉場は)非常に寂しい」と話す。また、
横浜市の男性会社員は「電車に乗って1時間40 分かけて浦安魚市場に来た。年に何回も来ている。町になじんだ市場がなくなるとは」と惜しんでいた。