ロシア軍がウクライナを侵略した。ウクライナは自由と独立のために戦っている。浦安市民が避難してきた人々とともに一般社団法人日本ウクライナパートナーシップ協会を設立。支援活動を展開している。
◇ロシア軍が包囲
2022年2月、ロシア軍がウクライナの国境を越え、攻撃した。
フーチェンコ・ペトロさんの家族が暮らすスームィ市(ウクライナ北東部)はロシア軍に包囲される。空襲で町は破壊された。市民は地下室に逃れ、不安な日々を過ごす。その後、家族は西へ、西へと移動。国境を越え、ポーランドに脱出した。
◇日本に行こう
そして、「親戚のいる日本に行こう」と決断した。日本大使館で緊急にビザを取得。4月9日、飛行機で成田に到着した。空港には浦安に住む親戚が迎えに来ていた。
「長い、長い旅だった。親戚の顔を見てほっとした」と振り返る。
家族は浦安で暮らし始めた。行政や団体、市民が様々な援助をしたという。娘のタチアナさん=経済学博士=は東京都内でコンサルタントの仕事に就くことができた。
タチアナさんは「いろんな方の助けを受けました。感動しました。感謝しています」と微笑む。
◇協会設立
浦安在住の平方洋二さんは元商社マン。語学に堪能だ。タチアナさんが講演したさい、通訳を担当、交流が始まった。
2024年9月、日本ウクライナパートナーシップ協会を設立。平方さんが理事長、ペトロさんが副理事長を務める。
昨年秋、家族のふるさと、スームィ市の団体と協力。子どもたちに菓子、色鉛筆、靴下などを送った。支援物資は無事、スームィ市に届き、現地の団体の事務局長が病院に入院中の子どもらに渡したという。
協会は伝統を有するウクライナの文化や芸術の分野でも活動していく。
◇料理教室
昨年12月7日、浦安の公民館でウクライナ料理教室が開かれ、市民が集まった。東京のレストランのウクライナ人シェフ、ロマンさんが本格ボルシチや郷土料理の作り方を指導した。
親子連れで参加した若い母親は「ウクライナのニュースに接すると、悲しくなる。できる範囲で支援していきたい」と語った。
平方さんは「ウクライナの人々と交流を続け、支援物資を届けたい。また、市民の方々が協会に入会するのを待っています」と呼びかけている。問い合わせは090・8519・1996
(塩塚 保)