浦安市を拠点とする株式会社清五郎運送(本社・浦安市猫実3-16-9)は11月から、トラックや学校給食の配送車にかわいい猫のキャラクターのステッカーを貼って、師走の街を走っている。
清五郎運送は昭和37年に創業した。平林宏之社長は「地元・浦安で長い間、運送業をやらせていただいています。市民の皆さんにもっと愛着を持っていただけるよう、本社の住所、猫実にちなんで猫トラを発案しました」と笑顔で語る。
今秋、浦安在住の女性デザイナーに制作を依頼した。同社のイメージカラー、グリーンを基調にしている。かわいい猫が左手を上げ、ちょこんと座っている。招き猫。よく見ると、瞳の中にトラック。スカーフの結び目はハート型。ニックネーム募集中。
心をこめて学校給食配送
30年以上にわたって学校給食を配送している。浦安市千鳥学校給食センターで調理した給食を市内の小中学校に届けている。「子供たちが給食を待っている。遅れは許されない。時間に正確に届くよう心がけています」と話す。
最近、若い女性が「学校給食の配送をしたい」と志願。配送ドライバーとして入社した。「若い女性ドライバーが自ら応募してきた。」とにっこり笑った。
また、浦安市の委託事業として高齢者等のごみ出し支援を行っている。ごみを集積所まで運べない利用者に代わって業務を実施する。多くの利用者の方々から感謝されている。
「いつもありがとうございます」「ごくろうさまです」などと一筆を添えてペットボトル入りのお茶やお菓子をドアノブにさげているご家庭もあるという。「うれしい。読むと、涙が出ます」粗大ごみや廃家電製品を処分する際もスタッフが手伝う。重いものを移動し、リサイクル券の購入方法を丁寧に説明している。
粗大ごみ処分を利用していただいた方に、社長手書きのサンキューカードを送る。あのかわいい猫のキャラクター入りだ。
ひとり暮らしの女性向けには女性スタッフが同行し、好評という。
ご縁を大切にして事業継承
平林家は江戸時代から続く浦安の旧家だ。清五郎運送。一度聞いたら、忘れられない会社名は先祖の名前にちなんでいる。
先代社長の平林清重さん(前浦安市消防団長)が運送会社を設立。豊洲市場の生鮮食品や家電製品などの運送を担ってきた。
先代から引き継いだ平林社長は「地元・浦安に根付いた事業を守っていかねばならない。大変なことです。責任の重さを感じます」と語る。
司馬遼太郎の作品を愛読。歴史上の好きな人物は高杉晋作。大切にしている言葉は「ご縁」事業を継承し、トラックや配送車で浦安の物流、生活を支える。
「粗大ごみ、廃家電処分を依頼してくださったご家庭を訪問して、お部屋の中から運び出すのが私たちの強みです。〝街の御用聞き〟としてきめ細かなサービスを展開していきたい」と意気込んでいる。