岸田文雄内閣が昨年10月に誕生して約4カ月。衆院選も経て、本格政権になった。薗浦健太郎衆院議員(千葉5区選出、5期目)は衆院財務金融委員長に就任し、政府提出の財政・金融関係の法案を審議する委員会を運営している。薗浦氏に最近の国政について伺った。

――岸田内閣をどう評価しますか。
薗浦氏 外交安全保障は、安倍晋三総理時代から続く、FOIP「自由で開かれたインド太平洋」の戦略目標の継続です。コロナに関しては、菅義偉総理の時に作り上げたワクチン供給、医療体制整備、市町村との連携、いま回り始めたものを、粛々とこなしていく事でしょう。経済対策では、給料を上げるため、企業収益が上がらなければなりません。原材料費が上がる中で、労務費と収益を確保できる政策を打ち出す事が、今年の岸田政権の課題です。適正な利益も得られ、給料も上がっていく緩やかなインフレにしていく必要があります。
――5期目の抱負をお話しください。
薗浦氏 長年、外交安全保障を行ってまいりましたが、この度、財務金融委員長を拝命しました。委員長は主に委員会の切り盛りをする役目です。委員会を開かなければ法案は通らないので、政府が提出する法案を委員会で審議し、通過させる仕事です。この委員会では税制が審議されるため、本年度中、つまり3月末までに仕上げる必要があります。財政・金融・経済の全般を見る事により、仕事の幅が広がったと感じています。与えられた職務を全うし、次に繋げたいと考えています。
――薗浦議員は外交問題で歴代政権を支え、また地元への政治力も発揮してきました。
薗浦氏 確かに現在は政府の人間ではありませんが、今まで培った人脈を活かして、引き続き外交に携わって参ります。地元では湾岸道路の高架化、高潮対策、護岸の工事、東西線のホームドア設置が佳境に入っています。今季中に完成が見込まれている仕事を着実に仕上げます。
――経済問題もこれから大変ですね。
薗浦氏 経済安全保障では産業政策プラス日本の様々な製品が如何に高く売れるか、そして日本に富をもたらすか、という観点の経済安全保障を重点的に行う必要があります。守る事だけではなく、攻めの姿勢の経済安全保障を行いたいと考えています。
――米中問題や日韓関係、北朝鮮問題についての考えを聞かせてください。
薗浦氏 今年、アメリカは中間選挙を迎えます。中国は、10月頃行われる予定の第20回共産党大会で全権を掌握するために、全ての勢力を傾けています。今年は米中両国とも、内政優先の年となりますが、自分の求心力、支持率を回復させる手段として外交を使いかねない。北朝鮮は外貨を獲得する手段としてミサイルを使っている一面もあります。故に世界に拡散する恐れがあり、日本にとっても脅威です。ミサイル開発を止めるため、具体的な施策が求められます。
――米国のバイデン大統領をどう思いますか。
薗浦氏 リーダーシップに欠けているとよく言われていますが、それは副大統領をはじめとするチームがまだ十分に機能していないからです。議会対策、ホワイトハウスの切り盛り、外交、等々沢山の仕事がある中で、大統領チームの負担に限界があります。トランプ前大統領の時は、日本に来るのはペンス氏で、日米経済交渉を行うなど、副大統領が機能していました。今後の推移を見守る必要があると思います。
――地元の浦安が抱えている課題は。
薗浦氏 東西線は混雑緩和に向け、南砂町、木場、茅場町駅の改良工事が行われており、2027年に完成予定で、順調に進んでいます。また京葉線の羽田延伸、りんかい線乗り入れは、長丁場ではありますが、少なくともJR羽田空港新駅が出来ることは決まりました。これは浜松町から田町を通じて下りていく路線であり、りんかい線も貨物線を使用して線路がつながることが昨年決まりました。地元からの働きかけも強めていかなければなりません。湾岸線ですが、舞浜立体に続き、塩浜立体の工事が始まっています。遅延することなく、取り組みたいです。
――地元の医療体制はどうですか。
薗浦氏 順天堂大学は、千葉県の中でも重症患者を診ることの出来る屈指のスタッフが整っています。様々なサポートをさせて頂きました。東京ベイ・浦安市川医療センターは、陰圧室という特殊な手術室を、高額な費用をかけて建設したり、ECMOを使えるスタッフを整えるなど、基幹病院に指定されてもいい設備を整えています。引き続き、要望を受け取りながら、様々なサポートをさせて頂きたいと思います。