浦安市から日本を変える! 注目が集まる認知症条例制定プロセス

認知症になっても安心な社会へ。これが私の原点。まず、目の前の現状を変えなければいけないと思い、認知症カフェなどの市民活動を始めたが、目の前の人しか救えない。ここに限界を感じ、政治の道を目指した。
まず地域を変えなければならない。認知症の啓発、医療・介護の人材の確保、当事者の声を反映する市政体制の整備。認知症についてだけでも、やるべきことは無数にある。議会で一つ一つの重要性を訴えてきた。いくつかは実現した。けれど、個別に課題解決を続けたところで、社会全体は変わらなかった。
そこで出会ったのが認知症条例だった。認知症条例比較研究会に議員として参加することになった。医療系シンクタンクの方々と条文比較や先行自治体のヒアリングを行い、この3月には中間報告書を公開した。
浦安市は認知症条例の制定に向けて動き出した。認知症研究の第一人者の永田久美子先生をアドバイザーに招き、この5月にはワークショップが2回開催された。先行自治体でも、認知症のご本人の意見を取り入れるのに苦労していたが、浦安市では最初から本人が参加し、意見は発してくれている。小売業、ホテル、フィットネスといった医療介護以外の事業者が多数参加しているのも例がない。
浦安市の条例制定プロセスは、これから条例を検討する自治体の参考になるだろう。条例制定が各地に広め、国の認知症基本法制定も促したい。浦安が注目され、医療介護の優秀な事業者、人材が集まる。彼らとともに認知症になっても安心して暮らせる地域づくりをさらに進める。それが私のビジョン。浦安市が超高齢社会に直面するまで、あと10年しかない。
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プロフィール
昭和55年浦安生まれ。慶應義塾大学卒。一新塾出身。
オムソーリ・プロジェクト代表。
平成31年4月市議会議員選挙に当選し現在一期目。