Dr.竜の「診察ノート」第6話: 肺がん 治らないがんの代表格 喫煙者は5倍以上のリスク

肺がん 治らないがんの代表格 喫煙者は5倍以上のリスク

Dr.竜の「診察ノート」第6話

 肺がんば2011年の男性のがん死亡の第1位、女性の第2位であり、全体で1位の死亡率。最近急増している難治がんの代表格である。
 肺がんの主たる原因は「喫煙」。喫煙者はタバコを吸わない人に比して5倍肺がんになるリスクを持ち、1日20本以上を30年吸っていると、そのリスクは10倍にもなる。

竜 崇正 先生

竜 崇正 りゅう・むねまさ
浦安ふじみクリニック院長
=浦安市富士見2-18-9=

 特に厄介なのは、他人の吐き出した煙「副流煙」であり、発がんのリスクを2-3割増すとされている。吸わない人・特に子供の前での喫煙は厳禁である。
 その他肺がんを引き起こす化学物質として、断熱材として広く用いられていたアスベストがあったが、現在は使用が禁止されている。大気汚染などは、肺がんとの因果関係は証明されていない。

<腫瘍マーカーでがんの種類を突き止める>

 肺がんの種類は、小細胞がんと非小細胞がんに大別され、治療方針が異なる。小細胞がんは肺門部(肺動脈や肺静脈が出入りするところ)に好発し、肺がんの20%を占める。喫煙に強く関係し、進行が速くて転移しやすく、悪性度は高い。
 非小細胞がんば、扁平上皮がん、腺がん、大細胞がんに大別される。扁平上皮がんば男性の40%を占め、喫煙に関係し肺門部に好発する。腺がんば肺野(肺の奥の方)型で、こちらも男性の肺がんの40%をしめる。女性にも多く、非喫煙者の女性に発生する肺かんばしばしばこのタイプ。大細胞がんは悪性度が高く、進行が速い。
 体のどこかに腫瘍ができると、血液中や排泄物中にたんぱく質や酵素などの特別な物質が増えてくる。この兆候が病気を見つける手掛かり「腫瘍マーカー」になる。

<肺門型のがん診断はCT、PETCT機器で>

 肺がんの症状は、肺野型では無症状の場合が多く、肺門型では治りにくい咳、血痰、息切れ、胸痛みなど。しかし、肺がんに特有というわけではなく、無症状のうちに肺がん検診を受ける必要がある。
 肺がんの診断は、一般的に胸部X線検査が中心。肺野型のがんの診断は出来るが、肺門型では心臓や大動脈と重なってしまい、見逃しの可能性も高い。従って喫煙者では病巣の場所を探すCT検査が必須である。
 肺がんと診断された場合、脳転移など遠隔転移の有無などをPETCT(病巣の部位の広がりを調べるPETと、CTを組み合わせた診断機器)で診断する。1期であれば手術が可能であり、特に早期診断されていれば胸腔鏡下の手術も可能で、苦痛少なく治癒することができる。それ以外ではたとえ種々できても、抗がん剤治療や放射線治療の併用が必須である。

 肺がんにならないためには、タバコを吸わないこと、他人のタバコの煙を吸わないことに尽きる。米国が禁煙政策でがんの死亡率を低下できたように、日本でも厳しい禁煙対策が望まれる。


関連記事

 

アーカイブ

ページ上部へ戻る