弁護士 京介 「家庭の法学」(21) 子どもの連れ去り

 こんにちは。弁護士の矢野京介です。
 今回のテーマは「子どもの連れ去り」です。2014年、日本もハーグ条約に加盟し、子どもの親権を決定するときの重要な要素として、子どもの現状を尊重しようという考えの「現状維持の原則」よりも、「違法な連れ去りがあった場合には子どもの返還を認めるべき」という考えが強くなりました。

矢野弁護士

矢野京介

 子どもの連れ去りが違法になるケースとは、どのような場合なのでしょうか。離婚後、親権者でない親が、子どもを連れて行った場合が典型的なケースです。離婚前の夫婦の場合、以下のようなケースでは違法とみなされ、子どもを元の家に帰さないといけなくなる可能性が高いでしょう。(1)子どもの親権をめぐって激しい争いがある中で子どもを連れだした (2)家に押しかけて子どもを連れ去った (3)保育園や小学校に行ったり、通学途中待ち伏せをしたりして連れ去った (4)子供を自分の家に連れていって、そのまま元の家に帰さなくなった、等。

 では、子どもの連れ去りが行われた場合、連れ去られた親は、どのようにして子どもを取り戻すことができるのでしょうか。この場合、家庭裁判所において、「子の引き渡し調停」や「子の引き渡し審判」という手続きを行います。
 調停で合意が得られない場合には、調停は不成立となり、手続きが審判に移行して、審判官が子どもの引き渡しを認めるかどうかを判断してくれます。このとき、相手が違法な方法で子どもを連れ去っていることが明らかになれば、子どもの引き渡しが認められ、子どもを帰してもらうことができます。
 また、子の引き渡し請求と同時に「監護者指定審判」を申し立てるとよいでしょう。そうすることで、子の引き渡しとともに、自分が子の監護者であると指定されるので、同じような連れ去りを避けることが可能になります。
 親権トラブルでお困りの方は、自己判断で行動せず、専門家に相談されることをお勧めします。

葛西臨海ドリーム法律事務所


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