浦安の漁撈用具を調査収集 東邦大学理学部OB

市郷土博物館、報告書を刊行

 漁師町として栄えた浦安の漁撈用具を45年以上にわたって収集し続けてきた東邦大学理学部(船橋市・習志野キャンパス)の漁村文化研究会(栗山堯男会長)。半世紀近い調査報告をまとめた「浦安の漁撈用具1」が、浦安市郷土博物館から刊行された。

寄贈された漁撈道具

東邦大学理学部の漁村文化研究会から寄贈された漁撈道具類

調査報告第11集

調査報告第11集の表紙

 調査を続けてきたのは、元「東邦大学漁村問題調査研究自主ゼミナール」のメンバー。
 栗山会長らが学生だった頃の昭和46年(1971)、浦安の漁師が漁業権を全面放棄。以来、べか舟がトラックで山積みされ、漁網が燃やされていくのを目の当たりにして、浦安の漁業の歴史と記録、失われてゆく漁具類収集の必要性にかられたという。

 携わった学生は約70人。社会人になっても浦安に足を運び、調査。釣り業者や古老から話を聞き、漁撈用具を集める一方で、ひとつひとつ図録を作成。集まった漁撈用具は650点にのぼった。
 用具類は、郷土博物館の開館を機に市が寄託を受けて保管していたが、研究会が昨年度すべての資料を市に寄贈。市は漁撈関係の刊行物がないことから今回、郷土博物館調査報告第11集としてまとめた。
 イワシの通り道に帯状の網を仕掛け、捕獲する「コザラシ漁」や「シラウオ漁」。浦安ならではの網の大きさや深さまで細かく記載した博物館にもない貴重な資料も数多い。
 一方、日本一の生産量を誇ったアサリ、ハマグリの串焼きや佃煮などの加工品。日本一の裏には隣の船橋から持ち込まれた “浦安名産” も多く、漁師の奥さんたちによる貝むきの速さが注目されての効果などにも触れている。

 博物館の民俗担当、尾上一明主任学芸員は「今回の調査報告は研究会員のみなさんが長い時間をかけて調べ、執筆した貴重な資料。その努力、苦労には頭が下がります。今後、市が収集、所蔵してきたものを含め、東京湾奥部の漁撈文化全体の解明に役立てたい」と話している。


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