弁護士 京介 「家庭の法学」(18) 生命保険と相続

 こんにちは。弁護士の矢野京介です。
 今回は「生命保険と相続」についてお話ししたいと思います。
 身近な人が亡くなると相続がスタートし、相続人は遺産分割協議を行いますが、生命保険の保険金は相続財産になるのでしょうか。これは、生命保険の契約者が受取人を誰にしていたかによって異なります。

矢野弁護士

矢野京介

 一般的には、夫や妻など特定の人を受取人にすることが多いでしょう。その場合、保険金は受取人に指定された人の固有財産になりますので、相続財産にはならず遺産分割の対象になりません。しかし、まれに受取人が被相続人自身に指定されていた場合は、この保険金は被相続人の遺産になるため、遺産分割の対象となります。

 生命保険の良い点は、被相続人に多額の借金があり、相続人が相続放棄をするような場合でも、受取人を特定の人に指定していれば、保険金は受取人の固有財産ですので、保険金を受け取ることができるという点です。
 また、保険金は、葬儀費用や当面の生活費等にも活用することができます。金融機関が死亡の事実を確認すると、その人の銀行口座は凍結されてしまい、遺産分割協議によって、その口座の預貯金をどのように分割するか決まるまで、自由にお金を引き出すことができません。
 それまでの期間、遺族は各種の支払いや生活費などに困る可能性があります。そのような事態を回避するために有効なのが生命保険です。生命保険は遺産分割協議が終わっていなくても、受取人が単独で請求でき、申請からおよそ1週間で振り込まれるので、もしもの際の資金対策になります。

 また、保険金にかかる税金については、保険の「契約者」「被保険者」「受取人」がどのようになっているかによって「相続税」「贈与税」「所得税」と異なってきますので注意が必要です。保険金にかかる税金を「相続税」になるようにすると『500万円×相続人の数』まで非課税となりますので、これを上手に活用すれば節税対策にもなるでしょう。

葛西臨海ドリーム法律事務所


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