Dr.竜の「診察ノー卜」第47話: O157予防は万全ですか トイレスマホや惣菜サラダも注意

 惣菜店で買ったポテトサラダを食べた5歳の女の子が一時意識不明の重体になったとの報道が8月中旬にあった。O157による感染が明らかになり、感染者は10人に上ったという。
 O157は腸管出血性大腸菌のひとつで、ベロ毒素を産生し、下痢や時には脳症を発生する。O157による食中毒は7月から9月に多発する。この菌は牛の大腸内にいて、汚染された食べ物や水、手指を介して人に経口感染する。集団発生は、料理店、保育園や高齢者介護施設などで起きており、年間約4千例の届け出がある。

竜 崇正 先生

竜 崇正 りゅう・むねまさ
浦安ふじみクリニック院長
=浦安市富士見2-18-9=

 O157は水の中や地中で数か月生存し、低温に強く冷蔵庫内でも生存している特徴がある。菌数が少なくても感染する力が強いので注意を要する。しかし熱には弱いので、70℃以上で1分間熱処理すれば死滅する。
 肉には食肉処理の際に、腸管内にいたO157が付着している可能性があるので、調理の際は切る包丁まな板と、野菜などを切る包丁まな板は別にし、その都度十分熱処理をして使うべきだ。また台所で使う布巾なども常に熱処理した新しいものを使うべきだ。調理の際は十分熱を通して行うよう注意する。
 買ってきた惣菜でも、熱処理をし直して食するべきである。しかしポテトサラダなどは熱処理できないので、買い物後、長時間常温で放置せずに、冷蔵庫に保管。食べる直前に取り出せば、たとえO157が付着していても菌数が少ないので、発症を予防できる可能性がある。
 典型的な症状は平均3~4日の潜伏期間後の水様性下痢と激しい腹痛で、1~2日後に血性になり、順調であれば7~10日で治癒する。予防は重要であり、こまめな手洗いとアルコール消毒が大事である。
 特に、感染者からの感染を予防する必要があり、下痢や嘔吐物などの吐物は素手で触らず、使い捨てのビニール手袋で処理する必要がある。下痢した時にトイレを使用した場合は、ウオシュレットを使い、十分な手洗いの後、ドアノブをきちんと消毒することも大事なエチケットである。
 最近ではトイレでのスマホ使用が問題となっており、細菌だらけのトイレでスマホを使用すると、たくさんの細菌がスマホ画面に付着する。スマホを衣服のポケットにしまうと、画面に付着した細菌は大量に増殖することになり、容易にO157にも感染するのである。スマホ画面も頻回のアルコール消毒が必要である。


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