Dr.竜の「診察ノー卜」第44話: ネットや週刊誌報道に惑わされず、医師から処方された薬は正しく服用しよう

 昨年7月、一部週刊誌で日本の医療を中傷する特集が組まれ、飲んではいけない薬として糖尿病、高血圧、高コレステロール血症の標準的な治療薬が槍玉に上がった。この発行以降、私のクリニックでも、この薬は本当に大丈夫なのかという問い合わせが多くなった。
 血圧のコントロールが不良になったり、糖尿病が悪化したりする患者が散見されるようになった。週刊誌に書かれている薬を服用しなくなった患者がいるためだ。コントロール良好だった糖尿病患者が、7月以降、毎月データが悪化していくので、私の手には負えないと専門病院に紹介状を書いていたら、この半年間全く薬を服用しなかったという事実を告げられた。

竜 崇正 先生

竜 崇正 りゅう・むねまさ
浦安ふじみクリニック院長
=浦安市富士見2-18-9=

 半年の服用中断で空腹時血糖は350を超え、視力の悪化をきたしていた。私の仲間の医師からも週刊誌以後、3カ月間も薬を服用していなかった方が脳卒中になり、50歳代で急死したということを聞いた。あまりにも酷すぎる罪作りな週刊誌報道だ。
 生活に気を付ければ薬は不必要になるかのような記述をしている。飢えと結核、戦争で人生50年の時代なら、薬が必要になる前に寿命が来ていたので、確かに薬は不必要だった。しかし現在、日本は世界一の長寿国であり、人生90年の時代を迎えている。人類で初めての長寿を経験しているのである。
 今日食料が十分な時代であり、肥満者が急増し、そのため高血圧や糖尿病が増えている。このような肥満者であれば、食生活改善と運動を大幅に取り入れた生活により大幅な減量に成功すれば、薬は不必要になる場合もある。また老齢となって活性化が失われれば、薬はどんどん不必要になる。
 医師から処方された薬を、週刊誌を信じて服用しないなら、塩分と脂肪を制限した食生活を徹底し、綿密な体重コントロールと、頻回な血圧チェックなど厳しい自己管理が必要である。働き盛りであれば、なおさら薬は必要である。安易に週刊誌やネットに毒されて必要な薬を中断すべきではないことを強調したい。


関連記事

 

アーカイブ

ページ上部へ戻る