Dr.竜の「診察ノー卜」第39話: 全ての子供にB型肝炎ワクチンを

 B型肝炎は血液などを介して感染するとされ、胎児が母親の産道を通る際に感染する垂直感染や、輸血や性交渉などで血液等から感染する水平感染がある。
 主な垂直感染予防のため1986年に始まった母子感染予防事業により、乳幼児のB型肝炎感染は激減した。
 また輸血に使う全血液のウイルスチェックにより輸血後肝炎も消滅した。しかし、これらの努力によってもB型肝炎は消滅せず、毎年2万人が発症しているとされる。特に水平感染が増加している。

竜 崇正 先生

竜 崇正 りゅう・むねまさ
浦安ふじみクリニック院長
=浦安市富士見2-18-9=

 従来は、成人してからB型肝炎に感染すると劇症化しないかぎりは全て治って、慢性化しないとされていた。
 だが中には慢性化する人がいることが明らかになった。その方たちはB型肝炎ウイルスのジェノタイプAであることがわかった。このタイプに感染すると、慢性化すなわちキャリア化しやすく、このジェノタイプAは最近急増しているとされる。
 乳幼児がB型肝炎に感染すると95%の方がキャリア化してしまい、感染力のあるウイルスを終生持つことになる。

 最近では保育園児間の感染も報告されている。B型肝炎ウイルスは血液だけでなく、唾液、涙、汗、尿などの体液にも存在するからだ。このためB型肝炎に知らない間に感染することが多く、WHOでは世界中の子供たちに、生まれたらすぐB型肝炎ワクチンの接種を呼びかけてきた。

 遅ればせながら日本でも2016年10月から全ゼロ歳児にB型肝炎ワクチン定期接種を開始した。母親がキャリアでなければ、生後2カ月からヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンとの同時接種がお勧め。
 2回目はその4週後、3回目は4~5カ月たってからの接種になる。B型肝炎ワクチン接種で早く免疫をつけて、B型肝炎から子供を確実に守っていこう。


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