地元の方言を残す「浦安ことば辞典」

宇田川さんが5年かけて出版

 浦安の文化、生活を支えてきた「浦安弁―浦安ことば」が消えようとしている。それを憂いた郷土史研究家の宇田川敬之助さん(80)が、浦安ことばの意味、その特徴などを本にまとめ出版した。言葉の背景にある風土、生活、文化に触れていることがこの本の特色になっている。

宇田川敬之助さん

「浦安ことば」を手にする宇田川さん

 出版されたのは「人情たっぷり浦安ことば―浦安の方言とその世界」と、別冊「ふるさと浦安ことば辞典―浦安弁の研究」の2冊でセットになっている。浦安弁の訛り、抑揚などは、しゃべってみてはじめて分かることもあるので、浦安弁を話す人の座談会「対話・浦安むかしばなし」などを録音し、CDにして添付してある。
 宇田川さんはこれまでにも浦安を題材にした本を4冊出版。今度の「浦安ことば」は、宇田川さんが生まれ育ったふるさとの昔を懐かしみ、その風土の中で日常、話されていた言葉「浦安弁」を後世に残したいという思いから、コツコツと資料を集め、古老から話を聞き、専門家の門をたたいて、5年かけてまとめた。

 「浦安ことば」は285ページ、「時点」は150ページ。浦安弁、その意味、味わいがたっぷり詰まっている。うらやすのふるい者真を数多く発表している写真家、秋山武雄さんの作品がカットに使われ、往時の浦安を伝えている。
 発行は千葉日報社、出版・販売は新都市グリーン開発、定価3000円。
 問合せ・申込みは同開発(でんわ047・350・1400)。
 この本は著者が寄贈した市立中央図書館、全分館、市立中学校で閲覧できる。

「けいがらようかん」
浦安弁とは… 一部を紹介

【浦安のことば】
 浦安では自分のことを「おい」、相手のことを「おめ」とか、「いし」といい、「おいは行けねだよ」「いしはどうすんだ」などと使われた。
 漁業関係では「おきえい」というのがある。これは仕事の頭、船長のことを指す。「なぐた漁師」は一人前でない腕の悪い漁師、反対語は「浜ぁ強えぇ」。腕の良い漁師のこと。「かま」はいっぱい漁があれば、米が買え、釜で炊いた飯が食えるから」。
 「けいがらようかん」は「貝殻羊羹」のこと。ハマグリの貝殻に羊羹を詰めたもので、口切いっぱいまで詰まっているように見えるが、開いてみると口元(浦安弁でとば口)だけで中身は半分以下。この様子から習い事などで「とば口だけ(最初)だけで奥を極めないで終わる人を「けいがらようかん」。
 
【辞典】
 いびい=けむい。いらあ=いっぱい。ずべえ=満潮。「そろそろずべぇだんべい」などと使う。せえな=ませんか(謙譲語)。ぬるってえ=はきはきしない。
 堀江、猫実、当代島の間にもことばの差が見られることなども解説されている。


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