文化

身近な日本一を郷土博物館が初紹介 鉄鋼団地企画展12/4まで

誕生・苦難の歩みに焦点
270事業所 4150人が働く

 全国で最も変貌を遂げた町といわれる浦安。日本一有名な遊園地がある一方で、全国最大の鉄鋼流通基地を誇る「浦安鐵鋼団地」の存在も侮れない。だが、こちらの日本一の “認知度” は今一つ。そこで市郷土博物館が「浦安のすごさをもっと知ってほしい」と、鉄鋼団地の誕生から現在までの足跡を初めての企画展で紹介している。

鉄鋼団地企画展

「地球の重さの3分の1は鉄が占める」という企画展

ジオラマ「鉄が使われている街」

企画展のために協同組合が制作したジオラマ「鉄が使われている街」

 「身近にあるが知られていない日本一」と銘打った企画展。新しい市庁舎に隣接する郷土博物館の2階、企画展示室で10月末から12月4日まで開催している。
 鉄鋼団地は、鉄鋼の生産から加工、販売を一手に担う、いわば鉄製品のデパート。鋼材の品種がすべて集約されていて、多くの業者が材料の調達にやってくる。しかし、市民生活とはかけ離れているせいか、市民の注目度は低い。
 開催にあたっては、鉄鋼団地協同組合(湊義明理事長)が全面協力して実現した。
 企画展は子供たちにも分かりやすいよう、「鉄鋼団地の歴史」「鉄を知ろう」「身近な鉄鋼団地を知ろう」「未来に向かって」―の4部構成。

浦安鐵鋼団地の歩み

 メーン企画は、東京湾の埋め立て地「浦安」に東京の鋼材問屋がなぜ移り、日本一の鉄鋼流通基地にまでなったのか。昭和38年(1963)の協同組合設立から50年以上が過ぎた第1、第2の鉄鋼団地の誕生と苦難の歩みに焦点を当てている。
 「鉄を知ろう」のコーナーでは、新浦安をイメージした町の立体模型「ジオラマ」を使い、どこにどんな鉄が使われているかを展示。改めて鉄製品であふれている家、町を再確認。鉄はどんな物質、特性があるか、鉄のできるまでを紹介。
 「身近な鉄鋼団地を知ろう」「未来に向かって」では、東京ドーム23個分の広い敷地に、270もの鉄鋼倉庫や工場があることを強調。毎日4150人もが働き、熟練技術者が最先端機器を使って加工製品に挑戦。浦安に来ればそろわない鋼材はないといわれるほどに成長した、日本最大の鉄鋼流通基地の今と今後の姿を紹介している。

 鉄鋼団地に絞った企画展は初めてだけに、平日は小中学校の児童、生徒が社会科の勉強に、土日は家族連れが多く訪れている。
 美浜から小学生の子供とやって来た母親は「鉄鋼団地の存在は知っていますが、工場だらけで別世界と思っていました。毎日多くの人が働き、東日本大震災を含めて、とても苦労した様子が分かり、勉強になりました。浦安はすごい町ですね」と話していた。
 主任学芸員の島村嘉一さんは「浦安の歴史といえば、主に漁業が中心でしたが、こんな鉄のまちでもあります。ふだん企画展は学芸員が担当しますが、今回は鐵鋼団地協同組合との合作。博物館としてはこれも初。この機会にぜひ博物館に足を運んで浦安を見直してほしい」と話している。

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