この人に聞く: スポーツカイロプラクター 伊佐和敏さん(38)

手技で支えたリオパラリンピック
「4年後の東京へつなげたい」

――脊椎や関節のゆがみを手技で矯正し、改善するカイロプラクティックのドクター。米国認定アスレチックトレーナーとしての経験も買われ、9月、リオディジャネイロで開催されたパラリンピックの選手をサポートし、帰国した

伊佐和敏さん  

「リオでの経験を東京でも生かしたいと」話す伊佐さん
伊佐氏プロフィル
千葉市出身。平成8年千葉商大付属高卒。クリープランド カイロプラクティックカレッジ ロサンゼルス校卒。米国ドクターオブカイロプラクティックなど国家資格を含む数々の資格取得。
平成19年帰国。21年、美浜1-6の自宅で開業。
国際スポーツカイロプラクティック連盟アジア代表。

 メインスタジアムからほど近い選手村の一角に総合クリニックができていました。整形外科から眼科、歯科まで幅広い診療科目があって、その中の一つに理学療法やカイロプラクティックを担当する私たちのベッドもありました。
 カルテを手にやってくるのは主にチームドクターでは対処できない国の人たち。選手だけでなく、ぎっくり腰になったコーチも診ました。最終的には世界のスポーツカイロプラクター11人がシフトを組み、朝6時半から夜10時半までサポートし、支え続けました。

――パラリンピックには176の国と地域の障害者が躍動。支えたボランティアは1万5千人とか
 はい。私たちもその一員です。リオの組織委員会の公募を知り応募。1年以上経過し、8月近くになってパラリンピックのオファーが来ました。旅費も滞在費も自前のボランティアでしたが、現場の緊張感は何とも言えず、今は達成感でいっぱいです。

――仕事を半月休んでまでのボランティア参加。そこまで駆り立てた理由は
 私は小学生から高校まで水泳一筋。競泳では高校総体3年連続総合優勝し、国体にも出ました。一時期、五輪を夢見た一人としてスポーツに関わる仕事がしたくて渡米。世界的に認められた医療資格を手にした以上、必要とする人がいるのだったら、役に立ちたい。その思い。今回は家族の理解に感謝しています。

――指圧との違いは
 カイロプラクティックはギリシャ語で「手技」。手を使う点では同じですが、カイロプラクティックは脊椎や関節のゆがみを整えて神経障害を正常化させる。そのためには本来医者と同じくらいの知識が必要です。
 米国と違い、未法制化の日本では国際的に認められたカイロプラクターは非常に少ないのが現状。日本では勉強しなくても施術できる状態ですが、WHO(世界保健機関)や多くの国で認められている国家資格の一つ。海外ではゴルフを含め、大きなスポーツ大会では必ずカイロプラクターが付き添います。

――4年後の抱負を聞かせてください
 国際スポーツカイロプラクティック連盟と協力して、東京五輪へ向けたアプローチが始まるでしょうが、一流アスリートを迎えられるレベルのカイロプラクターの養成が今後の課題。おもてなしの精神で理学療法士などと協力し、補い合うことができたら理想的なんでしょうが、今後次第ですね。


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