Dr.竜の「診察ノート」第5話: 女性のがん死亡率トップ 穀類繊維で大腸がん予防を

女性のがん死亡率トップ 穀類繊維で大腸がん予防を

Dr.竜の「診察ノート」第5話

 大腸がんば近年急増しており、男性は肺がん、胃がんに次いで第3位のがん死亡率であり、女性では第1位となっている。
 アジア、アフリカで少なく、アメリカや北西ヨーロッパなどの先進国では頻度が高い。日本でも都市部は、郡部の1.6倍と高頻度であり、社会経済的要素、特に食生活の関係が大きいとされる。
 ハワイやカリフォルニアに移住した日本人は一世、二世とも大腸がん死亡率は、日本在住の日本人より高く、米国の白人に近いことがそれを物語っている。

竜 崇正 先生

竜 崇正 りゅう・むねまさ
浦安ふじみクリニック院長
=浦安市富士見2-18-9=

<コレステロールの摂りすぎに注意>

 大腸がんば、食生活に関係し、脂肪の過剰摂取、特にコレステロールの過剰摂取により、肝臓から排出される胆汁酸が増加し、腸内の細菌により、がんをひきおこす(変異原性)物質に変化して、大腸がんを発生させる。
 また、性ホルモンにも関係するとされ、未婚女性や子供の無い女性に大腸がんが多く発生し、子供が3人以上の方は、いない人の60%前後の頻度と少ないことが分かっている。大腸がんになった女性は、乳がん、子宮体がんや、卵巣がんの死亡率も高いことが報告されている。
 しかも、最近では結腸がんの発生頻度が高くなっているとされる。直腸がんでは便の異常などを機に発見されるが、結腸がんではそれらの症状が少ないので、便を調べ潜血が陽性であれば、大腸の検査をするのが最も合理的である。

<緑色野菜も有効>

 予防としては、植物繊維とくに穀類繊維を多量に摂取するのが良い。繊維の摂取により、糞便量の増大と排便回数の増加を来たし、変異胆汁酸などの発がん物質を希釈、吸着し、大腸粘膜面との接触時間を減らすことができるからである。
 また、高繊維食そのものが、糞便のPHを低下させ、胆汁酸の代謝に関係する腸内細菌を不活性化させ、大腸がんの発生を抑える。
 キャベツ、ブロッコリー、アブラ菜などの緑色野菜の摂取も有効で、中に含まれるインドール類が発がんを抑制するとされている。

<早期発見なら内視鏡で切除>

 喫煙や肥満も大腸がん発生リスクを増加させており、カロリーを毎日2500キロカロリー摂取する人、脂身の多い肉を好む人、野菜摂取の少ない人では症状の有無にかかわらず、50歳過ぎからは注腸バリウム造影や大腸内視鏡検査などを受けておくべきである。
 大腸がんの多くは、ポリープ状に発生するので、早期発見すれば手術しないで内視鏡による粘膜切除で治療が完了する。ハイリスクの方は積極的に検査を受けるべきでしょう。


関連記事

 

アーカイブ

ページ上部へ戻る