境川の沈没船、市が撤去 長い間の懸案が解決へ

新庁舎の景観を考慮

年度内にゼロ目指す

 長い間、懸案になっていた浦安市の境川沈没船問題が急きょ、解決に向け動き出すことになった。新庁舎の完成をきっかけに、市が景観を重視、沈船撤去の方針を打ち出した。12月市議会に補正予算案を提出、年度内の沈没船ゼロを目指す。

 境川は市の中央を流れる延長約4・8キロの一級河川。漁師町だったころの浦安の風情をとどめ、今でも川を舞台にしたイベントが数多く開催されるなど町のシンボル的な存在だ。

沈没船と市役所新庁舎

境川の川面に市役所新庁舎と、沈没船が〝明暗〟クッキリ

 ところが、漁業権を全面放棄した昭和46年以降、海上レジャーが注目され、漁船に代わってモーターボート、水上オートバイ、ヨットなどのプレジャーボート類が境川に数多く往来、係留されるようになった。
 その後、乗らなくなって放置された船が強風などで水没。廃棄船となったボート類は年々増え続けた。

 これら沈没船は船舶の航行や災害時に支障があることから市が調査。平成21年時点で分かっただけで45隻に上った。このうち21隻は市が船舶製造番号から所有者を割り出し自主撤去を要請、24年にかけて処理された。
 しかし、製造番号が消されたり、古くて持ち主が不明だったり、自主撤去を拒む所有者もいて、27年11月時点で24隻がそのまま残っていた。
 最近は地元以外から小舟を捨てに来る悪質なケースもあるようで、沈没船はさらに増え、今年の調査では、猫実地区から美浜地区にかけ23隻、東野地区から富岡地区にかけて10隻が確認されている。
 自主撤去分も含めると、放置されていた沈没船は延べ54隻に上る。

 一級河川・境川の河川管理は本来県の担当。だが、県は老朽化の激しい護岸改修工事を優先的に進めているうえ、「係留した沈没船は市の担当」と主張。膨大な撤去経費が予想されるため、県、市の双方とも手を付けず、長い間先送り状態が続いていた。

境川の沈没船

こうした沈没船が年度内に撤去される

 ところが今年6月、新庁舎が完成。最上階から見渡す眺望が評判となる一方で、眼下の沈没船を目の当たりにした市民から「せっかくの景観が台無し」と、沈没船の撤去を求める声が持ち上がった。
 「市でなんとか処分できないものか」と市議会でも一般質問が相次いだこともあり、検討の末、松崎秀樹市長が今回、早期全面撤去の方針を決断した。

 市では自主撤去を拒否している所有者の場合は代執行を行い、のちにかかった費用を所有者に請求する。沈没船の撤去方法や処分場は今後検討し、12月議会に撤去費用を含めた補正予算案を提出して了承を得たい方針。


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