「旧醍醐家茶室」復元へ 〝浦安市迎賓館〟に

旧元町地区代表する和風建築

 浦安市の迎賓館に「旧醍醐家茶室」復元へ‐。同市は今年度から、新市庁舎完成に伴い、同庁舎周辺を中心に、明治中期に東京都内から同市猫実4丁目に移築され、平成22年に解体、寄贈された茶室の復元に乗り出す。当初予算に設計費415万円を計上、29年度の完成を目指す。旧元町地区を代表する和風建築として、新たな観光スポットになりそう。

醍醐屋茶室 離れ座敷の外観

離れ座敷の外観(いずれも浦安市教育委員会提供)


醍醐屋茶室 座敷の南東隅

座敷の南東隅

 復元される旧醍醐家茶室は、浦安町史などによると、明治元年まで猫実村の名主を務めた素封家で大地主の醍醐作太郎氏が明治37~38年ごろ、都内から移築したものという。
 昭和58~59年度で実施した浦安の民家調査報告書(同62年)によると、担当した千葉大工学部建築学科・丸山純博士は次のように評価している。
 「醍醐作治氏離れ座敷(茶室)は銅板葺き(元茅葺き)。庇は元こけらまたは杉皮・檜皮葺き。平屋で間口3.5間×奥行3.5間。8畳と6畳の2つの座敷に水屋と雪隠(トイレ)がつく。8畳座敷の床は1間間口で、左右に3尺の棚がつく。網代天井、雪隠引き戸は吊り戸として敷居を略す。洗練された趣味の数寄屋風離れの座敷の例」

 平成22年、解体、市に寄贈され境川の水防施設に仮置きしてきた。今年3月11日、市指定有形文化財になった。
 市郷土博物館の尾上一明主任学芸員は次のように指摘する。
 「旧醍醐家茶室は標高が約2メートルの微高地だった猫実に建てられた貴重なもの。(調査時の所有者)作治氏は昭和21年、第8代町長を務めた。基本的には復元だが、スペース的な問題もあり、専門業者に設計を依頼することになる」

醍醐作治氏宅離れ座敷(作左衛門)

醍醐作治氏宅 離れ座敷

8畳茶室の内部

 敷地は、境川から1ブロック北へ入った位置にある。離れ座敷は、寄棟造り。間取りは東側に8畳茶室と6畳茶室をとり、西側に水屋と雪隠を設けている。
 内部意匠は全体に洗練されており、品格のある好みを反映している。8畳茶室は網代天井。床と棚の構えは、左手に半間の地袋、中央に1間の床の間、右手に天袋と地袋を置く。
 左手の地袋は、溝を円弧状に引き、曲面上のふすまが2枚引き違いで入っている。
 6畳茶室には、西側の水屋との境に下地窓があり、北側には1間間口の円窓がある。
 雪隠の戸は、縦横に桟の入った木連れ格子戸で、敷居を設けず、鴨居上を戸車がころがる吊り戸。小便所の小窓の障子横桟は、扇子を閉じた形の洒落たものである。


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