高校野球2016 30分遅れのノーヒットノーラン 学館浦安・黒田投手

 170チームの球児が夏の甲子園を目指した「第98回高校野球選手権千葉大会」。浦安市からは4校が出場し、熱戦を展開した。9人ギリギリの浦安南が22年ぶりの勝利に沸いた昨夏に続き、今年は東京学館浦安・黒田航平投手(3年)のノーヒットノーランの逆転ドラマが待っていた。

黒田投手

夏の大会4年ぶりの快挙を打ち立てた黒田投手

 7月19日、市原市のゼットエーボールパークで開催された4回戦。試合は学館浦安が6―0で敬愛学園に勝利した。
 当初発表された黒田投手の記録は「114球、7奪三振、2四球、1安打」。
 唯一の安打は6回2死一塁。三塁線のゴロを好捕して投げた村松の一塁送球を根本が取りそこねた内野安打。
 今回の逆転ドラマはここから始まった。電光掲示板の判定は「H」と出たが。「実際は一塁手の落球」とみていた橋口幸司監督。黒田投手がその後、ヒットを打たれなかったこともあり、試合後、大会本部に6回の判定をアピールした。

 落球による出塁が認められれば、黒田投手のノーヒットノーランが成立する重大な局面。
 プレーのアウト、セーフは審判が行うが、打者の出塁がヒットか守りのミスによるものかの判定は、公式記録員が行う。県高野連によると、公式記録員は大半、野球部顧問の教員。1人で担当する。プレーを即座に判断し、ランプ表示しなければならないため、経験も知識も必要。高校野球ではビデオ判定を導入していないので、落球判定は極めて難しいという。

 今回は記録がかかっていただけに、監督と塁審、公式記録員などが慎重に協議。この結果、塁審が監督と同じように落球を認識していたことが分かり、試合終了30分後に、「一塁手の失策」と公式記録が訂正された。
 こうして夏の大会4年ぶり、31人目の快挙が誕生したが、高野連でも「訂正による記録の成立は過去にもないのでは」と首をひねるほどの珍事となった。

 黒田投手は東京・江戸川区の出身。投手だった少年野球チーム時代に右ひじを痛め、高1から遊撃手兼投手。身長172センチ。速球派ではないが、スローカープと直球を駆使して、今年春からエースに名乗りを上げた。
 突然のどんでん返しに「こんなこともあるのですね。驚きましたが、うれしい。一生の思い出。記録を意識せずに投げ続けられたのが良かったのかもしれません」と、ナインの守りにも感謝した。

 チームは勢いに乗り、5回戦も千葉敬愛に5―0で勝ったが、順々決勝で習志野に3―4で敗れ、惜しくもベスト4入りを逃した。
   ◇
 その他の浦安勢の結果は次の通り。
 茂  原 14―1 浦安南
 浦  安  9―0 犢  橋
 千葉経大付 6―4 浦  安
 東海大浦安 2―1 君  津
 専大松戸 10―1 東海大浦安


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