Dr.竜の「診察ノー卜」第26話: ピルの低用量使用は子宮体がん発生を予防

避妊薬・月経困難症の治療薬、
ピルの低用量使用は子宮体がん発生を予防

 婦人科のがんで最も多いのは子宮がんで、年間約2万1千人がかかります。子宮がんは子宮頸がんと子宮体がんに分けられ、子宮体がんは1万1千人がかかり、約2千人が亡くなります。
 子宮体がんは子宮内膜がんとも呼ばれ、ヒトパピローマウイルス感染が原因の子宮頸がんとは異なり、40歳代から多くなり、閉経前後で最も多くなっています。

竜 崇正 先生

竜 崇正 りゅう・むねまさ
浦安ふじみクリニック院長
=浦安市富士見2-18-9=

 初期症状は無いので、おりもの変化や、月経とは無関係の性器出血に注目する必要があります。女性ホルモンのエストロゲンの刺激が長期間続くことが主な原因で、肥満、遅い閉経、出産未経験、高年齢出産の方にリスクが高まります。
 ピルは1960年から米国で月経不順治療薬、経口避妊薬として使用されています(国内では1999年)が、子宮がんの予防にも有用であることが証明されました。
 今回、日本、北米、ヨーロッパ、オーストラリアなどで発表された36件の論文のメタ解析結果が、今年8月の超一流英文医学雑誌のランセット誌に掲載されました。
 検討対象は14万2千人で、子宮体がん発症が半減したとの結果でした。このことからピル服用が一般化している21か国では、過去50年間に40万人の子宮体がんの発症を予
防できた、と結論しています。
 ピルは一時的にエステロゲンの分泌を抑えるので、結果的に子宮内膜の障害が抑えられ、発がん予防につながると考えられます。月経困難症や子宮内膜症に悩まされて、ピルを服用している方には大きな朗報です。


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