医療・健康

Dr.竜の「診察ノー卜」第17話: 健康長寿を目指そう

「寿命」について考える

 長寿は人類共通の願いだろう。日本の2012年の女性の平均寿命は86.8歳、男性は80.09歳で、この願いは達成しているかのように思える。
 しかし2000年、WHO(世界保健機関)が、介護を受けないで自立した生活ができる生存期間「健康寿命」の概念を公表して以来、長寿の質が注目されている。

竜 崇正 先生

竜 崇正 りゅう・むねまさ
浦安ふじみクリニック院長
=浦安市富士見2-18-9=

<健康寿命と平均寿命に大きな差>

 2010年の健康寿命は男性70.4歳、女性73.6歳と、世界第1位である。しかし、健康寿命と平均寿命との差が大きいのは大問題であり、亡くなる前、女性で12年、男性で9年も人の世話になって生きている。 
 日本における死因の第1位はがん、第2位は心疾患、第3位は脳血管疾患、第4位は肺炎、第5位は不慮の事故である。
 がんは検診を受けて治るがんを早期に治せば、健康長寿が得られる。喫煙しないこともがん予防に大事である。心疾患や脳血管疾患には、高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満などのいわゆる生活習慣病の予防が大事で、このため特定健診が行われている。高血圧、糖尿病は動脈硬化を助長するので、早くから適切な生活習慣と治療が必要である。特に脳血管障害は、意識を失ったまま絶対治らない不毛の長期治療となる。

<大事な禁煙の徹底>

 肺炎の中に、動脈硬化を来たし、発癌リスクを倍増するので、喫煙は悪であることを、徹底すべきである。高齢者の女性は、骨が弱くなって骨折して寝たきりになりやすいので、骨粗鬆症の治療が重要である。認知症も明日はわが身の大問題で、早期からの治療と地域での支えあいが大事である。近年、意識が無くなり、胃瘻や人工呼吸機で命だけ長らえているケースも多く、社会の大きな負担となっている。

 これからは、自分の意思を持って生きる概念を加えた「健康寿命」が寿命という社会を育てたいものである。

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