Dr.竜の「診察ノー卜」第16話: 尿漏れ「恥ずかしい」と考えず、気楽に受診を

 男性も、女性も尿漏れで悩んでいる方は多い。尿漏れがあると、仕事に支障をきたし、外出も躊躇しがちになり、生活の質に影響が出てくる。

<自分の状態を知ろう>

 尿漏れは病態により次のように分けられる。
 〈腹圧性〉尿道を締める骨盤底筋の筋力低下によるもので、咳やくしゃみ、大声で笑ったときに起こりやすい。尿漏れ患者数の65%を占める。
 〈切迫性〉膀胱の収縮が急に起きて強い尿意を感じて尿が漏れる。トイレが間に合わなかったり、尿意を感じたとたんに漏れたりする特徴がある。「過活動膀胱」ともいい、患者数の30%を占める。
 〈溢流性〉前立腺肥大症などによる下部尿道閉塞や膀胱収縮障害で、尿が少しずつ漏れて起こる。
 〈機能性〉認知症などで、トイレ以外の場所で尿を漏らすことをいう。
このほか2つのタイプが一緒になった〈混合型〉もある。
 なお、第三者に下着が濡れている状態を認識されるほどの尿漏れは「尿失禁」という。

竜 崇正 先生

竜 崇正 りゅう・むねまさ
浦安ふじみクリニック院長
=浦安市富士見2-18-9=

<男女問わず多くの人が悩む>

 男性の尿漏れは、加齢に伴う前立腺肥大や、膀胱炎、膀胱の収縮能力が落ちてなる場合が多い。女性の尿漏れは男性よりも多く、成人女性の3割が経験しているという。
 女性に尿漏れが多い理由は、女性の体の構造の特徴、妊娠・出産が関係しているとされ、高齢者だけでなく20代、30代の若年者も珍しくない。女性に多い、「腹圧性尿漏れ」は妊娠、出産に加え・女性ホルモンの減少・肥満・加齢・運動不足・便秘などにより、骨盤底の筋肉が弱くなることで起こる。

<女性は骨盤底のトレーニングを>

 その治療には「骨盤底筋肉体操」が有効で、2~3か月継続して行うと80%の方の症状が改善する。体操の基本は、寝て腹部に手を当て、1でお尻を締め、2で腔尿道を締め、3、4で息を吸い、5、6でキープ、7、8で息を吐きながら全身の力を抜くを基本とする体操で、1日10分程度行うことで効果がある。そのほか、尿道括約筋の収縮力を高める薬を使う。

<改善と予防の対処法>

 生活習慣を改善し、肥満や便秘の解消も大事である。「切迫性尿漏れ」に関しては、水分の摂り過ぎやカフェインなどの利尿効果のある飲み物を控える ▽早めにトイレに行く習慣をつける ▽排尿する時間間隔をあける、などの訓練が有効である。
 薬物療法としては、抗コリン薬、ベシケアやバップフォー等が用いられる。「溢流性」では、尿路感染や腎機能障害をきたすので、前立腺肥大に対する治療などを適切に行う必要があり、ハルナール、フリバスなどが用いられる。
     ◇
 尿漏れを「恥ずかしい」と考え、病院を受診しないで悩んでいる方も多いと思われる。そんな方には気楽に受診することをお勧めしたい。


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