大声を出すことでコミュニケーション力アップ 8年目を迎えた紙芝居教育

大声を出すことでコミュニケーションアップ

8年目を迎えた紙芝居教育

 浦安小学校(明保治男校長)で今年も紙芝居の授業が始まった。プロの脚本家が浦安の歴史や生活状況をテーマに書き下ろしたストーリーを、4年生が文化祭で大きな声で読み聞かせる。10月25日、教室に「チョーン」と拍子木が鳴って、8年目を迎えた紙芝居講座の第1日目が始まった。

紙芝居教室

8年目を迎えた紙芝居教室

 きっかけは平成18年、俳優を目指す若者の修行の場としてあった芸能紙芝居「きらく座」が浦安小学校で上演されたこと。当時の黒田江美子校(現・教育長)が「子供たちにも教えてくれませんか」と主宰者の若林一郎さん(82)に持ちかけた。
 「最近の子供たちがコミュニケーション下手なのは、大きな声を出して遊ぶことが少なくなったから」「言葉を司る大脳の前頭葉が最も発達するのは小学3~4年生のころ。この時期に大きな声で紙芝居をやらせると、前頭葉が刺激され、やる気や集中力が高まる」‥。こんな会話が交わされたという。

 若林さんは60年代のテレビ人気番組「オバケのQ太郎」の脚本を書き、アニメ「ヤッターマンの歌」の作詞を手がけるなどの”売れっ子”だが、二つ返事で承諾。浦安の土地に根ざした物語作成のため取材に回り、「アッサリーくんの夢」「あいぼうのべか」など18本を書き下ろした。うち2本は東日本大震災が題材。

 《アサリたちが登場して、浦安がかつてあさり天国だったこと、日本で1番あさりむきの名人がいたことなどを語りだす。
 「おれたちはプランクトンを食へ、海をきれいにしているんだ」「浦安の浜辺でおれたちを掘り出してもらい、浦安の子供たちに食べてもらうのが夢なんだ」(アッサリーくんの夢)》

若林一郎さんと小池榮さん

若林一郎さん(右)と小池榮さん

 この年から若林さんの紙芝居教室が始まった。1本約15分の長さ。4本を発表する。その練習に1回2時間の講座が計10回組まれた。
 今年度は俳優で「青年座」創設メンバーの1人、小池榮さん(86)やわらべ唄指導の若手らが加わり、講師陣は計5人。
 「ヤッホー」と窓の外に向けて叫ぶ。わらべ唄を大きな声で歌う。自分の名前を大声で紹介‥が初日の講義のすべて。大声を出す楽しさを知ってもらうのが、8年間を通してのテーマだ。

 「子供の元気な声を聞くのが何よりの楽しみです。一咋年だったか、大きな声を出してと言ったら泣き出した子供がいてね。今年の子はみんな元気が良い」と若林さん。
 明保校長は「紙芝居の授業の中で、しっかりとした声を出すこと、思いを込めた表現をすることの大切さを繰り返し教えていただき、とても感謝しています」と話した。

 練習の成果は11月25日の「ふれあい祭り」で全校児童の前で披露される。


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