この人に聞く: 東海大浦安高校柔道部監督 竹内 徹(たけうち・とおる)さん

東海大浦安高校柔道部監督 竹内 徹(たけうち・とおる)さん

東海大浦安高校柔道部監督 竹内徹さん

― 3月の全国選手権、7月の金鷲旗大会を制し、8月のインターハイでも2階級で優勝するなど目覚しい躍進をみせています。指導方法で心掛けていることはありますか

 「技の習得、練習の工夫など選手自身が考えることを身に付けさせたいと思っています。私は練習にはほとんど口出ししません。迷っていたり、伸び悩んでいたら、”ÅとかBの方法があるけど、どちらが良いのかな”など最小限の言葉を掛けます」
 1カ月も選手を見ていれぱ、個性が見えてきます。この子にはどう接したら良いか、試合当日にキツイことを言った方が良いのか、黙っているのがいいかなどが分かってきます。大概は褒め言葉で送り出すことが多いですが。まずは選手を見守ることが大事ですね」

◆見守り、考えさせることの大切さを知った

― それは随分辛抱のいることでしょうね。最初からその方針を貫いてこられたのですか

 「10年ほど前の出来事が私を変えたのです。インターハイの個人戦で優勝した教え子が大学に進
むとスランプになり、最後まで試合に出られなかった。卒業後食事したとき、”隣に竹内先生がいなくて、何をしていいか分からなかった”と言われましてね。それ以来、選手自身にいろいろ考えさせるようにしています」

◆勝つことは目標、目的は人間形成

― 選手の手応えは

 「団体戦出場の5人のうち3人は中学時代に全国大会出場の経験がない子、昨年は5人中4人でした。高校に入って伸びた子たちです。でも勝つことは目標で、目的は人間形成です」 
 「みんなに愛される選手を育てること。勝負の中でも相手を尊敬する気持ちが大切です。自分のためにも、相手のためにもマナーを良くしないと、トップの選手にはなれません。ええ、おかげ様で校内でも試合会場でも”マナーが良いですね”と言われることが多くなりました」
 《記者が道場を訪れた際も、近くにいた生徒がすぐにスリッパを出してくれ、帰り際も礼儀正しい挨拶を受け、マナーの良さを実感した》

東海大浦安高校柔道部

― 無名の選手たちを育てて高校ナンバーワンになったわけですが、それは猛練習の賜物?

 「練習時間は短いですよ。1日2時間半、土日は午前中だけ。朝練や合宿もしません。休息の大切さを覚えたのは5年くらい前。高校生は休まないと体が大きくなりませんしね。手を抜かずに集中して練習することで、それまで全国大会でペスト4止まりだった壁を超えることができるようになりました」

◆授業中にギターの弾き語りも

― 個人的なことを伺います。監督歴20年ですが、柔道を始めたのはいつから?

 「7歳のときです。腕白で、父親に”喧嘩に強くなりたい”と、言ったら柔道を勧められた。それからずっと柔道一筋」

― 休みの日はなにを

 「買い物や、授業で相当している世界史関係の本を読んだりしています。ギターも好きで、授業中にギターを弾いて歌うこともあります。長渕剛の”乾杯”やゆずの”栄光への架け橋”などやりますね。でも授業そのものは厳しいですよ」

― 最後に、竹内監督が目指す高校生柔道とは

 「熊本出身で九州学院高校の2年先輩に山下泰裕さんがいた。山下先輩の好きな言葉でもあるのですが、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」。この精神を浸透させたいですね。私の座右の銘でもあります」


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