Dr.竜の「診察ノー卜」第14話: タバコは毒薬…… 喫煙をやめる治療のすすめ

タバコは毒薬…… 喫煙をやめる治療のすすめ

 タバコは、肺の組織を破壊し、血管をぽろぽろにする毒薬です。喫煙者はニコチン中毒者であり、麻薬患者と同じです。
 しかし何故人間はタバコを吸うようになったのでしょう。

<頭すっきり!は錯覚>

 それはタバコには吸ったらやめられなくなるaddictionという薬理作用があるためで、吸うと頭がすっきりして精神が解放されるかのような錯覚を与えるからです。タバコはアメリカ原住民が吸っていただけで、コロンブスのアメリカ大陸発見前はヨーロッパ、アジアの何処にも喫煙者がいませんでした。

竜 崇正 先生

竜 崇正 りゅう・むねまさ
浦安ふじみクリニック院長
=浦安市富士見2-18-9=

 しかしコロンブス以後すさまじい勢いで世界中にひろがり、鎖国していた日本へも波及。その魔力のすごさが理解できると思います。

<意外とこわい副流煙>

 タバコを吸う人は肺がんなどのがんになる恐れがあり、酒と一緒にだとそのリスクは何倍にもなります。15歳以下で喫煙を始めるとがんになるリスクは30倍、20歳以下では8倍、成人から吸っても5倍のリスクがあります。また喫煙者本人だけでなく、発がん性のある喫煙者の吐き出す副流煙が、吸わない人の健康被害にまできたすのです。
 禁煙をするのは容易ではありません。喫煙者の体内に入ったニコチンは神経伝達物質のアセチルコリンに付着し、禁煙をしても、ニコチン中毒の状態は変わらないので、久し振りに吸うタバコをさらにおいしく感じ、喫煙量が倍増するのです。

<ニコチン中毒から さようなら>

 禁煙薬としてはニコチネルパッチやニコチンガムなどがありますが、肺にニコチンを入れないで肺組織の破壊や肺がんを防止しようというもので、ニコチン中毒の状態はそのまま。タバコを吸えば、ますます吸いたくなってしまうのです。
 しかし現在では「チャンピックス」という健康保険適用の薬があります。チャンピックスは神経伝達物質のアセチルコリンに付着してニコチンを追い出してしまいます。そのため煙草を吸ってもおいしいと感じなくなり、不快な臭いが気になるようになり、ニコチン中毒から脱することができます。一日朝夕2回、食後の服薬を3か月つづければよいのです。健康保険が適用され、治療代は1万9000円です。副作用としては、嘔気、頭痛、便秘などがありますが、予防薬で防止できます。

<禁煙外来の成功率は90%>

 一方、禁煙すると肥満になることがありますが、禁煙と同時に、夕食の量を減らすこと、健康志向に考えを変え、運動を取り入れることなどで対応できます。浦安ふじみクリニックの禁煙外来の成功率は90%です。人生の最後に苦しいがんやCOPD(慢性閉塞性肺疾患)による呼吸困難を避けるためにも、禁煙をしましょう。タバコに費やしたお金より、はるかに素晴らしい人生が開けるはずです。


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