「青べか物語」見て、聴いて

「青べか物語」見て、聴いて

 かつての漁師町、浦安をモデルにした作家、山本周五郎の小説「青べか物語」。浦安を一躍有名にしたその作品の映画公開50周年を記念して、関連イベントが浦安市郷土博物館で開かれている。沖の百万坪といわれた豊饒な漁場。今その上には多くの高層住宅や世界的なレジャーランドが建ち並ぶ。周五郎の涌安と大変貌を遂げた今を改めて考えてみるのはいかが・・・。

◆見る「青べか物語」

 周五郎がこの町に住んでいたのは、昭和3(1928)年、25歳のとき。小説「青べが物語」はそれから30年以上の時を経て、雑誌「文芸春秋」に連載され、翌年の昭和37年6月、映画化された。
 東京映画制作、東宝配給。新進気鋭の監督・川島雄三、脚本・新藤兼人。森繁久弥、東野英治郎、左幸子ら当時の東宝スターが総出演した。
 だが、封切られた映画は、お色気ありの娯楽喜劇。地元住民は文学的な作品を期待していただけに猛反発し、浦安では劇場公開4日日に上映中止となってしまった。
 浦安の街は埋め立てで当時の4倍の面積に広がり、あさりやのりを採って生活していた漁師町はわずが半世紀の間に様変わりし、今日を迎えている。
 「上映中止にはなりましたが、映画は昭和初期の浦安の様子がよく分かります。内容についての意見は賛否両論ありますが、今の浦安市民はどう感じるのでしょうか。この機会に、青べが物語の魅力を再発見していただけたらうれしいのですが」と、郷土博物館の林奈都子主任学芸員。
 郷土博物館では、論議を呼んだこの映画を11月17日(日)午後1時半から視聴覚室で上映する(事前申し込み)。101分。

青べか物語 収蔵品展

郷土博物館所蔵の資料を公開している「収蔵品展」

◆収蔵品展

 郷土博物飽がこれまでに集めた「青べが物語」に関する資料を公開する「収蔵品展」が、博物館2階の企画展示室で聞かれている。
 63歳で亡くなった周五郎が映画化の前に浦安を再訪したときのスナップ写真や文芸春秋に掲載された・直筆の原稿、撮影現場の写真、映画ポスター、チラシなど、初公開の資料も多い。
 会場には撮影翌年に亡くなった川島監督や映画作りに携わった人たちの秘話、エピソード、主演の森繁と沖で酒を酌み交わした漁師の話などが数多く紹介されている。
 また、漁師町の名残りも見てもらおうと「三番瀬漁撈習俗」と題して、行徳、南行徳の現役漁師が新たに寄贈してくれたカレイ漁の刺網、ウナギ漁に使うカマ、のり養殖の道具など、今では珍しい漁撈用具を展示している。12月8日まで。

青べか物語 寄贈された漁撈用具

現役漁師から寄贈された漁撈用具

◆聴く「青べか物語」

 11月24日(日)には、郷土博物館サークル「朗読あおべか」による小説の朗読発表会が行われる。
 このサークルは、郷土博物館か主催した朗読ボランティア養成講座に参加した人たちが今年4月新結成,毎月第1、第3土曜日に朗読会を開催している。
 今回は秋の発表会でもあり、午前10時と午後2時の2回、合わせて14人が4つの章に挑戦する。
三宅逸子会長は「耳がら入る朗読は、文章にメリハリをつけるため、演じる人によって表現がまちまち。そこが本や映画と違って魅力。訪れた人に話をじっくり聴いてもらうため会場をいつもの屋外展示場がら博物館の視聴覚室に移したので、多くの人に聴いてほしい」と話す。
 演目は「はじめに」「青べか馴らし」「芦の中の一夜」「おわりに」。朗読は1人15分前後。長い章は3人が分担するリレー朗読となる。「おわりに」は、会員の指導に当たっている市川善次郎さんが披露する。
 郷土博物館の問い合わせは、305・4300。


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