Dr.竜の「診察ノー卜」第13話: 患者情報を共有する試み 在宅ケア 家族の負担軽減へ

患者情報を共有する試み 在宅ケア 家族の負担軽減へ
浦安市医師会 患者7人でスタート

Dr.竜の「診察ノート」第13話

 高齢化社会を迎え、住み慣れた家で安心して暮らせる街づくりと、それを支える医療と介護などの多職種連携による安心安全なシステムづくりが望まれている。

<統一されない患者情報>

 いまや高齢者の方は、複数の疾患を抱え、複数の診療所や病院、さらには介護施設などにかかっている。それらの情報は患者個人のものでありながら、診療所も病院も他施設でどのような診断がされ、治療がされているかは、紹介状がないかぎりわからない。

竜 崇正 先生

竜 崇正 りゅう・むねまさ
浦安ふじみクリニック院長
=浦安市富士見2-18-9=

 ましてや医療保険と介護保険が切り離されているので、医療と介護のシームレスな連携はさらに困難である。患者の主な情報は患者が地域中核病院にかかっている場合は、その病院の電子カルテシステムで保管されているが、その情報を患者が見て把握することは困難である。開業医など地域の医師が権限を持って、地域中核病院にある患者の情報を見ることは可能ではあるが、セキュリティシステム構築にお金がかかりすぎ、電子カルテ上の病院と病院の連携などは非常に困難である。

<共用のメールソフトの開発>

 浦安市医師会では地域医療推進委員会委員長の竜を中心に、患者さんやご家族の了解を得て、在宅医療介護に必要な情報を共有して、多職種が連携する試みがスタートしている。電子カルテを共有するのではなく、安価で簡単に運用できる電子メール共用のようなソフトを開発して用いている。
 まず、医師は患者の簡単な病歴、訪問看護師は看護歴、ケアマネージャーはケアプランを記載する。そして患者さんご家族と相談したチームの基本方針を記載する。例えば「患者さんは事実であっても絶望的な情報は望んでいない」とすると、「あとどのくらい生きられるか等の予後告知はしないで、明るく生きるお手伝い」が基本方針となり、チームで徹底される。運営記載項目は以下の3項目で①訪問記録②意見交換③共有画像やデータである。チームの医師、看護師、ケアマネ、歯科医などがその都度書き込み、その情報をバソコンやタブレット端末で共有する。現在までに7人の在宅患者さんに試行している。

<住み慣れた家で安心して生きる>

 後方病院として浦安病院と浦安中央病院が参加し、患者の状態改善のための短期入院や、急変時に対応する体制となっている。
 在宅でケアのみが係わって老老介護しているケースも多いと思われるが、このシステムを用いて後方病院で患者の全身状態を改善すれば、在宅介護も楽になり、家族の負担は格段に楽になると思われる。このシステムにより、患者さんは安心して在宅で過ごし、介護者も非常に楽になる。このシステムが浦安中に広がって、安心安全な街に出来るよう皆さまの協力をお願します。


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