Dr.竜の「診察ノー卜」第12話: 偏頭痛はどんなときに 発症する? 自己判断せずに早期診断を

偏頭痛はどんなときに発症する? 自己判断せずに早期診断を
Dr.竜の「診察ノート」第12話

 前号で日本人に多い「頭痛持ち」について取り上げましたが、今回はなかでも「偏頭痛」にしぽって述べます。
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 偏頭痛は20~40歳代の女性を悩ます厄介な病気であり、840万人もいるとされる。偏頭痛は片側あるいは画側のこめかみから目にかけて、脈を打つように「ズキン、ズキン」と痛むのが特徴である。

竜 崇正 先生

竜 崇正 りゅう・むねまさ
浦安ふじみクリニック院長
=浦安市富士見2-18-9=

<痛みは三叉神経の圧迫から>

 そのメカニズムは、何らかの刺激でセロトニンが異常に放出されて脳の血管が収縮し、その後に血管が急激に拡張して三叉神経を圧迫して発症する。脈を打つのと同じリズムで痛むのは、送られてくる血液で血管がさらに太くなるからとされ、発作的に生じる。数時間から数日間ほど続き、自然に治まる。睡眠で軽快することが多い。
 日常動作で増強し、頭痛発作中に悪心・嘔吐、光・音過敏等が見られる。朝起きた時から発症する場合や、太陽の光などを頭や目に受けた時、激しい運動後や緊張が解けてほっとした時などに起こりやすい。また前兆を伴うタイプもあり、閃輝暗点(ギラギラ輝く歯車のようなものが見える)、一過性半盲(視界の一部が一時的に欠けて見えなくなる)、舌のもつれ、などのあとに発症する。
 一方、女性の偏頭痛の約半数は生理時におこる。生理前2日に発症して月経3日目まで続く。親が頭痛持ちだったり、小児喘息だったりした人も偏頭痛になりやすいとされる。

<予防薬と治療薬>

 偏頭痛の発作はほぽ一定の間隔で襲ってくるので、予防薬が有効である。代表的な薬はロメリジン塩酸塩の「テラナス」「ミグシス」です。筆者が愛用している予防薬は、抗てんかん薬のリボトリールと三環系抗うつ薬のトリプタノールの半錠ずつの併用である。
 治療薬としては、まず非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDS)「カロナール」「ボルタレン」「ロキソニン」を使用するが、なんといっても有効な治療薬はトリプタン系薬剤のスマトリプタン「イミグラン」である。

<薬の服用は痛みがひどくなる前に>

 偏頭痛薬は症状がひどくなってから服用するのではなく、少し痛いときに服用した方が効果が高く、長い時間痛みを抑えられる。その他漢方薬も用いられている。生理に関係する片頭痛には「アマージ」が奏功する。
 偏頭痛からクモ膜下出血や脳梗塞になるリスクは高くないが、前兆を伴う偏頭痛を持っている人は7倍、それに子宮内膜症などで低用量不妊治療薬を服用している人では10倍のリスクがある。予防には自己判断せずに血圧や血液検査と医師の診断を早めに受けることが大事です。


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