浦安生まれのホタルを再び ~入船南小学校 もう一つの震災復興物語

浦安生まれのホタルを再び ~入船南小学校

もう一つの震災復興物語

 周囲に高層ビルを見上げる浦安市立入船南小学校(鞠山誠人校長、447人)。その校庭の一角で今、東日本大震災で姿を消した “浦安生まれ” のゲンジボタルの再生活動が、学校とPTA一体で進められている。「ホーホー、ホタル来い」の願いが、住宅街の真ん中で飛び交う。

入船南小のビオトー プ

浦安生まれのゲンジボタルの復活が期待される入船南小のビオトープ。右が鞠山校長

鑑賞会で撮 影されたゲンジボタル

昨年5月の鑑賞会で撮影されたゲンジボタル

 場所は校庭北東隅の、動植物が生きられるようにと自然を復元して作ったビオトープ内。平成11年、同小の創立20周年記念事業で「モノではなく、地域全体の記念になるものを」と、学校とPTA組織の「浦安ホタルの会」(山田峻大会長)が整備した。広さ約330平方メートル。小川が回遊して中央の池に流れ込む設計で、アジサイやフキノトウ、ホテイアオイなど約30種類の植物が植えられた。
 「広報うらやす」などによると、ゲンジボタルは最初の2年間は船橋市の運動公園から幼虫をもらい受けて放流。3年目からは卵から育った “浦安生まれ” が飛び交うようになった。『ホタルの里』と名付けられ、児童だけでなく地域の人たちも小さな光の乱舞を楽しみにするようになった。
 ところが「3.11」の震災で液状化現象に見舞われて設備が崩壊。小川の水が抜け落ち、ホタルの姿が消えた。このため「ホタルの会」会員や先生たちが、月1回のペースで小川の側面にビニールシートを張り、水漏れを防ぐなどの作業に立ち上がり、エサとなるカワニナの生息を確認した。
 池も雨水などで水深を回復。カエルやオタマジャクシ、アメンボ、メダカなどが元気に泳ぎ、理科や生活の授業に活用されている。児童らは大喜びしているが、小川の復旧は回遊するまで回復しておらず、素人作業のためか工事完了のメドさえ立っていない。
 それでも昨年5月、ゲンジボタルの成虫を購入して震災後初めての鑑賞会を3日間にわたって開催。600人以上が20数匹の乱舞に目を輝かせた。今年は6月13・14日に鑑賞会を開催。それに備えて成虫のホタル購入を100匹に増やし、5月25日には校長や「ホタルの会」会員らが集まってビオトープ内の草取りなど整備作業を行った。
 鑑賞会の時間は午後7時半から1時間。誰でも同小に来れば、自由に鑑賞できる。
 鞠山校長は「鑑賞会は光の乱舞のほか、成虫ホタルの交尾によって卵を得て、再び浦安生まれのゲンジボタルを復活させる気持ちも込められています。児童らも “ホタルの学校” として愛校心を抱いてくれるでしょうし、小川が回遊できるようになれば、授業だけでなく地域の人も自由に憩えるよう開放したい」と近い将来の希望を話した。


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