Dr.竜の「診察ノート」第11話: 日本人に多い「頭痛」 最悪は、クモ膜下、脳出血を疑え

日本人に多い「頭痛」 最悪は、クモ膜下、脳出血を疑え
Dr.竜の「診察ノート」第11話

 頭痛はありふれた症状で、日本人の3~4人に1人、3000万人をも超える人が「頭痛持ち」である。
 頭痛には一次性と二次性がある。一次性は緊張性頭痛、片頭痛、群発頭痛に分けられ、緊張性が2200万人、片頭痛が840万人、群発頭痛が1万人といわれている。二次は頭蓋内の器質的疾患によるものが多くクモ膜下出血が1万人、脳腫瘍によるものが3万人といわれている。

竜 崇正 先生

竜 崇正 りゅう・むねまさ
浦安ふじみクリニック院長
=浦安市富士見2-18-9=

<一番多い緊張からくる頭痛>

 一次性のうち、「緊張性頭痛」は、頭が締め付けられるような痛みが特徴である。精神的・身体的ストレスが複雑に絡み合って発症する。無理な姿勢、合わない枕、目の酷使などにより、主に頚部・側頭部の筋肉が硬直して血行が悪くなり、さらに疲労物質などがたまって周囲の神経を刺激し、頭痛を招く。几帳面で律儀な人、生真面目な女性に多い。

<片頭痛は睡眠で治ることも>

 「片頭痛」は、ズキンズキンと感じる痛みで、これも若い女性に多い。頭痛発作中に気持ちが悪くなり、嘔吐を伴う。光や音に過敏になる。片頭痛というが両側のことも少なくない。朝のまぶしい太陽の光を受けた時、激しい運動後や緊張が解けてほっとした時などに起こりやすい。片頭痛の原因としては、セロトニン説と神経血管説の2つがある。このうち神経血管説は、脳からの刺激が血管周囲の三叉神経を刺激し、血管を拡張、炎症を起こさせることをいう。
 また、片頭痛には前兆を伴うタイプもあり、閃輝暗点(ギラギラ輝く歯車のようなものが見える)や一過性半盲(視界の一部が一時的に欠けて見えなくなる)、そして舌のもつれなどがそれである。これらは睡眠で軽快することが多い。
 女性が訴えることが多いひとつに生理痛があるが、生理中にエステロゲン(女性ホルモン)が血中から減少し、セロトニンに何等かの影響を与えるからと考えられている。

<怖い二次性頭痛>

 「群発頭痛」は猛烈な痛みを伴う。最大の特徴は1年から3~4年に数回程度、それも1か月から3か月と長期間にわたり、群発地震のように固まって起きる。
 次に二次性頭痛だが、これは早急に集中治療を施さなければ死に至る。怖いのが、クモ膜下出血、髄膜炎、脳出血だ。

<薬の乱用からの頭痛も>

 一般の消炎鎮痛薬を長期間服用することによる「薬物乱用頭痛」も近年急増しており、注意を要する。また、命の危険はないが緑内障による頭痛では失明の危険があることを忘れてはならない。
 頭痛の鑑別の要点は、最悪の場合はクモ膜下出血、髄膜炎を疑い、持続進行性の頭痛は髄膜炎や脳腫瘍を疑い、突発性の場合はクモ膜下出血を疑い、専門病院への緊急受診が必要である。
 いずれにせよ頭痛には、医師の診断のもと、早期に適切な薬剤を使用することが大事です。


関連記事

 

アーカイブ

ページ上部へ戻る