Dr.竜の「診察ノート」第10話: 胸痛に要注意! 心筋梗塞による突然死を予防しよう

胸痛に要注意!
心筋梗塞による突然死を予防しよう
Dr.竜の「診察ノート」第10話

 「がん」に次いで日本人の死因第2位となるのが心臓病(心筋梗塞・狭心症など)です。
 かつては、高齢者の病気とされていましたが、現在では30~40代の発症が増え、働き盛りの「突然死」の最も多い原因です。早期発見で予防につとめましょう。

竜 崇正 先生

竜 崇正 りゅう・むねまさ
浦安ふじみクリニック院長
=浦安市富士見2-18-9=

<働き盛りの世代も油断禁物>

 突然に胸痛をきたす病気としては、狭心症、心筋梗塞、大動脈解離、大動脈瘤破裂などの心臓や大動脈疾患だけでなく、肺梗塞症、肺血栓塞栓症、肺炎などがある。
 心臓や肺などの内臓の病気が原因で胸痛が出るわけだが、時には背中の痛みとして出てくる場合がある。内臓と胸・背中の神経が繋がっているためである。
 胸痛や背中の痛みが、筋肉疲労による筋肉痛であれば自然に治るが、内臓の病気が原因となっている場合には、軽く考えずに速やかに検査する必要がある。

<突然死の70%は心筋梗塞>

 まず考えるべきは、心筋梗塞。心臓を栄養する3本の冠状動脈が閉塞して、心臓壁が壊死になる恐ろしい病気である。働き盛りの突然死の70%を占め、その30%は何の前兆もなく発症している。健康に自信のある人でも、心疾患が隠れている場合があり、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、肥満の方は、無症状でも心臓の検査を受けるべきである。
 狭心症は冠状動脈の痙攣縮などにより、充分な酸素や血液を心筋に送りこめない病気で、胸の圧迫感、痛みが発作的に出現する。
 また、胸痛を突然きたすのは大動脈解離。大動脈の壁に亀裂が入って外膜と内膜に分かれてしまう病気である。突然に胸や背中に激しい痛みが現れるのが特徴である。若年層にもみられ、心血管外科のある大病院に緊急搬送する必要がある難病である。
 その他、強い胸痛を伴う疾患として肺動脈に塞栓が詰まり血流が閉塞する肺梗塞症。飛行機に長時間乗るとか寝たきりなど、同じ姿勢を取り続けることで下肢静脈に血栓ができやすい人に見られる症状である。予防法としては、屈伸運動をしたり、水分を多く摂取したりすること。

<胸の痛みを感じたら速やかに検査を>

 心筋梗塞など虚血性心疾患の診断にはMDCTで造影すれば、冠状動脈の狭窄の有無や程度が簡単に診断できる。狭窄のある冠状動脈の診断ができれば、心臓カテーテル治療で冠状動脈の狭窄を広げ、ステントを挿入して安全に治療ができ、死の危険から脱することができる。

    ◇

 胸痛みに注意し、その痛みが長期間続いたり、何度も繰り返したりするような場合には、速やかに検査しましょう。外来検査で病状が分かり、カテーテル治療で確実に治癒することができ、生命の危険から逃れられるのです。


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