うらやすの人(2): フリーダイビングに生きる

うらやすの人(2) フリーダイビングに生きる

羽ばたけ人魚ジャパン ワールドカップ3連覇目指す 山本 哲也さん

 人はどれだけ海中深く潜れるか、水の中で息をとめていられるか―。そんな素潜りの限界に挑戦する世界大会「フリーダイビングワールドカップ」。その日本女子代表”人魚ジャパン”を率いて、目下、2連覇中。

山本哲也さん

やまもと・てつや
昭和53年、札幌市出身。ダイビングショップ、マリンスポーツ経営のトゥルーノース浦安店、西伊豆田子店を経営する有限会社トルノス代表。

 「まだ世界大会の団休戦で3連覇を果たした国はありませんから、なんとか達成してほしい。といっても、まだ代表のコーチに決まったわけでもなく、選手選考も開催地も未定です」

 フリーダイビングの世界大会は、団体戦と個人戦があり、2年に一度交互に行われる。山本さんは3年前の沖縄入会、17カ国が参加した昨年のフランス大会の団体戦でコーチを務めた。
 猫実5丁目で、ダイビングショッブ「トゥルーノース浦安店」を経営して14年。その一方で、フリーダイビングの普及、選手の育成に力を注ぐ。

 スクーバダイビングのインストラクター養成学校で講師をしていたころ、廣瀬花子さんという、人魚ジャパンの金の卵に出会った。
 「当時、彼女はイルカと一緒に泳ぎたい程度のダイバーでしだが、フリーダイビングの奥の深さを知って、インストラクターの仕事をしながら競技者を目指したいと、トゥルーノースの専属になって、それから二人三脚で競技にのめり込んでいくことになった」

 競技は、どこまで深く潜れるかを競う海洋競技「コンスタント」(垂直潜水)、会場をプールに移して、どこまで息を止めていられるかを競う「スタティック」(息止め)、長く泳げる距離を競う「ダイナミック」(平行潜水)―の3種目。
 潜水と距離は足ひれ「フィン」を付けるが、それ以外の装備はなく、ただ一息だけの勝負となる。団休戦は、個人でこの3種目を行い、合計得点を国別で争う。

 廣瀬さんは、息止めの日本・アジアの記録保持者。6分32秒の記録を持つ。「ところが、世界記録はロシアの女性の9分超え。それでもチーム戦、一人怪物がいても優勝できるとは限らない。団体戦のおもしろいところで、大会となるとチーム同士のかけひきも必要です」
 廣瀬さんは、めきめき記録が伸びて、平行潜水の日本記録を189メートルに更新するなど、若手のエースに育った。

 チームのエースは、岡本美鈴(旧姓・平井)さん。日本の第一人者で、垂直潜水91メートルのやはり日本・アジアの記録保持者だ。岡本さんは幼稚園から中学まで浦安で育ち、つい最近まで弁天に住んでいた。

 廣瀬さんも現在、浦安住まい。1チームは補欠を含め選手4人、コーチ1人。このうち3人が浦安にゆかりがある、まさに、浦安”人魚チーム”でもある。

山本哲也さんと仲間たち

「山本コーチ(中央〕と人魚ジャパンのメンバー。右端が岡本美鈴さん、2人目が廣瀬花子さん(プロ・フリーダイバーの篠宮龍三氏撮影」

 大きな悩みがある。それは世界大会の遠征費用を自分で工面すること。世界大会となると滞在は2週間近くにも及ぶ。旅費を含めて経費はすぺて自費。そのために選手個人が日々、スポンサー集めに苦労しているのだ。
 「競技に参加する人たちの負担が軽くなるよう、私たちの協会がもう少し成熟しなくてはいけない。そのためにもフリーダイビングの存在をもっと世間に広めたい」。今年理事の一人に名を連ねた抱負をこう話した。


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