Dr.竜の「診察ノート」第8話: 寝たきり生活にならないように骨粗鬆症に警戒 食事と運動で予防を

寝たきり生活にならないように 骨粗鬆症に警戒
食事と運動で予防を
Dr.竜の「診察ノート」第8話

 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは、骨強度の低下により、わずかの外力でも骨折しやすくなる高齢者の疾患である。大腿骨頸部骨折や股関節の骨折は、高齢者の寝たきり生活につながり、高齢者の寿命も縮める。

竜 崇正 先生

竜 崇正 りゅう・むねまさ
浦安ふじみクリニック院長
=浦安市富士見2-18-9=

<患者数1100万人、8割が女性>

 厚生労働省などによると、日本国内の患者は高齢女性を中心に年々増加しており、自覚症状のない未受診者を含めると、推計で1100万人にのぽる。患者の8割は女性で、60代女性では3人に1人、70代女性の場合は2人に1人と増加。2004年調査では、寝たきりで介護が必要となる原因の第3位は「骨折・転倒」(10.8%)だった。
 骨は常に、破骨細胞によって古い骨を壊し、骨芽細胞によって新しい骨が作られ、一定の強度を保っている。女性ホルモンのエストロゲンは骨芽細胞の活動を高めるが、閉経後にエストロゲン濃度は急速に低下。さらに女性は男性に比べて骨量が少ないため、より骨折しやすい。

<アルコール、喫煙が骨折リスクを高める>

 通常の加齢に伴う骨粗鬆症以外に糖尿病、関節リウマチ、慢性腎臓病、また副腎皮質ホルモンなどの服薬なども骨粗鬆症のリスクを増す。アルコールの飲みすぎ、喫煙も女性ホルモンの作用を妨げ、カルシウムの吸収を減らし、骨折リスクを高める。
 骨粗鬆症の初発症状は、身長の短縮、背中が丸くなった、腰痛や肩こりなどである。これらの症状が無くても閉経後の65歳以上の女性では骨密度を測定して、低ければ症状がなくても治療を開始すべきである。

<予防には食事、運動療法>

 骨粗鬆症の予防には、食事療法、運動療法が基本である。カルシウム摂取が不足すると骨粗鬆症になるだけでなく、骨からカルシウムが溶けて血液中に流入して動脈硬化を引き起こす。骨粗鬆症患者では動脈石灰化症による心臓病が多くみられる。
 骨粗鬆症と動脈硬化を防ぐためには、適切なカルシウム摂取と同時に骨代謝に必須であるビタミンDやKの摂取が必要である。野菜と果物の摂取も大切で、摂取量が多いほど骨密度が高いという研究結果がある。
 運動も大事であり、散歩や家の中での体操など、体を動かす習慣が大事である。適度な運動をして、骨に負荷をかけることが必要。また筋力をつける運動、バランス感覚をつける運動をすることで、転倒を防止することもできる。
 住まいをバリアフリーにしたり、照明を明るくする、階段や浴室、トイレに手すりをつけるなど、転倒を防ぐための配慮も大切である。


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