うらやすの人(7) :  家庭の災害食備蓄を促進する提案 主婦目線を生かした発信を  FP、整理収納アドバイザー 岡部梨恵子さん

うらやすの人(7): 家庭の災害食備蓄を促進する提案

主婦目線を生かした発信を

FP、整理収納アドバイザー 岡部梨恵子さん

 1ヵ月後は東日本大震災(3.11)から満3年。浦安市でも市域の86%が液状化被害に見舞われただけに “備えあれば憂いなし” ―。
 日本災害食学会で最優秀賞を受賞した女性と聞いて、”固い研究者”をイメージしていたが、東西線浦安駅前で待っていた岡部さんは柔らかい感じの人だった。

岡部梨恵子さん

おかべ・りえこ
山梨県生まれ、高校まで宮崎県で過ごす。 18歳で上京。銀行勤め、私大研究室の秘書を経てFP(ファイナンシャルプランナー)、整理収納アドバイザー資格を取得。現在は家計管理とお片付けアドバイザー、さらに家庭の災害食備蓄を促進するセミナー活動などに取り組む。夫、一女、一男の4人家族。

◆FP、整理収納アドバイザーの資格

 昨年12月に東京で開かれた日本災害食学会の第1回研究発表会。20数人の並み居る専門家に伍して、主婦目線に整理収納アドバイザー1級を活かした「家庭の災害食備蓄を促進する提案」で最優秀賞を受賞した。
 日本災害食学会は、まだ発足して半年足らずの新学会で、会長は新潟大農学部教授の門脇基二さん。メンバーは研究者や防災専門家、食品メーカーの役員など法人含め118会員。大規模地震などの災害時に起こる食に関係する様々な問題を考え、食生活向上に寄与するのが目的。
 「私は整理収納アドバイザーなどで活動していたので、参考にしたいと考え、正会員で入会しました」

◆家庭備蓄は「3日分」から「1週間分以上」に

 首都直下地震発生への関心が高まっているなか、提案はタイムリーだったようだ。
 「家庭での必要な備蓄量はこれまでの目安で『3日分』とされた食糧や水などの家庭備蓄が『1週間分以上』必要だと言われるようになった」と指摘。そのうえで、「4人家族のわが家では水が84リットル、食糧は84食分。それをカセットコンロで温めると、250グラム缶が14本必要。これが『最低ライン』だが実践できる家庭は少ないと思われる」と日ごろの活動から見えた問題点も提起した。
 浦安市民約200人に災害食備蓄でアンケートした結果でも、現実には『3日分』さえ備蓄のない家庭も多い。家に物があふれて備蓄スペースがないからだ。
 現在片づけや収納を教えるプロが全国に3000人いる。多くの人に災害食を知ってもらうには、災害食アドバイザーという資格制度を作り、家庭向け片づけと備蓄方法をセミナーなどで個別指導して普及させてはどうかと提案した。
 この提案は「家庭の災害食備蓄というピンポイント視点からの発表で、食糧備蓄に有効な手段を訴える真摯な内容が高く評価された」(日本災害食学会事務局)ようだ。

日本災害食学会

日本災害食学会で発表する岡部さん

◆安全・安心視点で災害備蓄情報発信

 横浜市鶴見区の高台から2歳と4歳の子供を連れて夫の実家そばの浦安市富岡に越してきたのが16年前。「住民の皆さんは気さくでフレンドリー。保育付きの各種セミナーがたくさんあったのも魅力。多いときは週5日も受講しました」。
 そうした蓄積が実って資格取得に結び付いた。これからも浦安で安心して生活するために、恩返しの意味でも『災害時、生き延びるための食と生活を考えるセミナー」などで浦安発の防災情報を発信していきたい、と話す。
 具体的には、(1)お金に関する重要書類保管法(FP) (2)家庭内の備蓄品保管方法(整理収納) (3)命に直結する非常時の食事(災害食学会)― を学べるようにしたい、とこれからの活動構想を明らかにした。

 浦安市民セミナー受講者から岡部さんのように主婦目線で発信力を持った市民が続くことを期待したい。


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