この人に聞く: 浦安市消防本部 高梨能親(たかなし・よしちか)予防課長

この人に聞く

浦安市消防本部 高梨能親(たかなし・よしちか)予防課長

― 統計によると、昨年浦安市では41件の火災が起きています。この件数は多い?

 「この5年間で最も少ない件数でした。浦安は農地がなくて林野火災はゼロ、大半が建物火災です。人口1万人当たりに換算した出火率は2.4件で、全国の3~4件に比べて低く、死亡者はゼロ。でも平成24年のデータ(火災件数45件)では、火災1件当たりの損害額は139万2千円、市民一人ひとりが387円の損害を受けた計算になります」

浦安市消防本部 高梨能親さん

高梨能親さんプロフィール
昭和32年3月誕生、浦安生まれの浦安育ち
昭和55年4月、浦安市消防本部職員lこ
以来34年間消防一筋。うち8割は予防の仕事につく
「家では防火のことはうるさく言いません。家族はよく分かっていますから」

― 火災の主な原因は?

 「放火の疑い、コンロ、たばこがワースト3。全国的には放火が圧倒的に多いのですが、昨年の浦安は放火2件、放火の疑いが8件でした。いずれもイタズラに近いもので大きな被害にはなっていません。連続放火などの凶悪事例は30年前に遡らないと記録に出てこない」
 「たばこは吸殻のズサンな管理でゴミ箱が燃えたり、灰皿に山のように吸殻がたまっていてボヤになったりのケースが多いです。こんろが原因となるのは、鍋を火にかけたまま放置したという事例が大半です」

火のそばから離れず、たまにはコンセントの手入れも

― 油を使っていたら火のそばを離れないというのは常識じやないですか

 「落とし穴があるのです。天ぷらや揚げ物をしている時に電話やお客が来れば、ガスを止めるのが普通です。でも中に、ガスを弱めただけで対応し、長い時間話し込んでしまう。弱火にしたことで安心しているのでしょうが、小さな火でも時間が経つと3百数十度にもなり着火してしまう。こうした火災は24年5件、昨年6件起きています」

― ほかに落とし穴のような危険要因はありますか?

 「コンセントのトラッキング現象も要注意です。日陰の湿気が多いところでコンセントを差し込んだままにしておくと、ゴミやほこりが溜まり、発火の原因になるケースがあります。浦安では昨年1件だけでしたが、東京消防庁管内では平成24年中34件も発生しています。1年に数回、コンセントを抜いて掃除するよう心がけてほしい」

自治会の訓練にはぜひ参加を

― もし火がでたら、どう対処すれば良いのでしょう

 「消火器を使うのが一番。もし近くになければ、大きめのバスタオルを水に濡らし、絞ってから火元の上にかぶせます。大きな蓋でも良い。要は空気を遮断してしまうのです。といっても、咄嵯の場合、慌てていてなかなか体が反応しないかもしれません。そういう場合に備えて、自治会などと協力して防火訓練を行っています。24年度は71回行いました。ぜひ訓練に参加して、すぐに防火対応ができるようになってください」

― これからも厳しい寒さが続きます。市民に忠告しておきたいことはありますか

 「浦安は昭和47年から、各世帯に1本ずつ消火器を無料で配布するなど防火予防には力を入れてきました。耐用年数が切れる8年ごとに、消火器を無料で交換もしています。全国的にもトップクラスのケアぶりといえるでしょう。最近、この交換率が少し悪くなってきています。面倒がらずに交換し、イザというときに備えた万全な準備をお願いしたい」


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