浦安高校で講談発表会 2年生5人が西行の「鼓ケ滝」熱演

浦安高校で講談発表会

2年生5人が西行の「鼓ケ滝熱演

 パンパパンパンと張り扇の音が響き、教室は講談定席の雰囲気―。県立浦安高校視聴覚室で1月22日、日本の話芸講座発表会が行われ、2年生5人が約50人の生徒や保護者らを前に、講談「西行旅日記より『鼓ケ滝』」を熱演した。高校の授業で講談を取り入れているのは全国的にも珍しく、指導教諭の高藤丈世さん(国語)は「生徒が古典に親しむきっかけになれば」と話芸講座開設の狙いを話した。

 浦安高校(渡邊啓之校長)では2年生を対象に、昨年の2学期から水曜日の6限目にチャレンジレッスン(総合的な学習の時間)を開設。そのなかの「日本の話芸」講座で約半年間、希望した男子3人、女子2人が講談に取り組んできた。
 高藤さんは「高藤世梅」の号を持ち、源氏物語や松尾芭蕉などの作品を自ら脚色、公演する講談歴15年のベテラン。講座開設前は講談を聞いたこともない生徒に、発声練習から言葉の意味、語りの節回しなどを5~6時間指導してきた。

浦安高校講演発表会 熱演した5人

指導教諭の高藤さん(中央)と熱演した5人

晴れ舞台に緊張気味の5人

 この日午後2時20分からの晴れ舞台には、『鼓ケ滝』を演じる5人~ナレーターの花見真由季さん、西行の岩崎励人君、おじいさんの桐畑太一君、おばあさんの佐藤春菜さん、孫娘の大畑涼君=写真右から=が、張り扇を持って登壇。

 花見さんの「鳥羽上皇に仕えし北面の武士‥出家し諸国を行脚し歌を詠み‥」のナレーションで幕開け。歌の名所・摂津の鼓ケ滝を訪れた西行が

「伝え聞く 鼓ケ滝に 来て見れば 沢辺に咲きし たんぽぽの花」

と詠み、出来ばえに悦に入っているうちに、暗くなってしまい、近くの民家で一夜を過ごすはめに。

 ところが、そこに住む3人に歌を直されてしまう。まず、おじいさんに、「伝え聞く」を「音に聞く」とされ、おばあさんには、「鼓ケ滝に 来て見れば」を「鼓ケ滝を うち見れば」に。さらに、孫娘には、「沢辺に咲きし」を「かわ辺に咲きし」に。
 しかし、

「音に聞く 鼓ケ滝を うち見れば かわ辺に咲きし たんぽぽの花」

と、元歌よりよくなっており、西行は修行不足を実感。この3人は和歌三神(住吉明神、人丸明神、玉津島〈宮〉明神)の化身で、慢心し、夢を見ていた西行を戒めるため現れたのだった。

 ‥これにて、読み切りとさせていただきます(花見さん)で終幕。

女性の高音出すため風呂で練習

 発表会を終えた5人に感想を聞くと―。
 声優志望の桐畑君は「大勢の前で話すのは難しかったけれど、感情を込めてやるところが楽しかった」。配役でじゃんけんに負け、孫娘に挑戦した大畑君は「高い声を出すため風呂場で練習した」。

 また、岩崎君は「西行は歌詠み修行の面白い人物だと思った。それなりに自分で考えて演じた」。
 佐藤さんは「年寄り感を出すのが難しい。祖母をイメージしてゆっくりしゃべった」。そして、花見さんは「大きい声ではっきりしゃべるのが苦手。でも、読み込んでいくと面白くなる」。

浦安高校 講談発表会 発表会場

初めて講談を聴く生徒も多かった発表会場

 一方、聴いていた1年生は「昔の言葉の言い回しが面白かった」「もう1回聴きたい」など、”未知との遭遇”は好評。それぞれが話芸講座を通じて貴重な体験をしたようだ。

 高藤さんは「生徒たちは短い練習時間で熱心に取り組み、役柄を読み込んだ」と評価していた。

     ◇

 高藤さんは「多くの人に講談を聴いてもらいたいので”出前講談”をしています。希望者は浦安高校 (351・2135)へ連絡してほしい」と話した。


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